エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.176
2012.09.24 更新
文:GDM編集部 松枝 清顕
本稿最後は、「H-Frame」にPCを司る構成パーツを組み込んでみた。通常のPCケースレビューであれば、ケース内部温度等を計測するところ、密閉とはほど遠いスタイルだけにあまり意味が無い。レビュアー泣かせの「H-Frame」だが、ここでは組み込みを行って気が付いた点などをご紹介しておこう。
電源ユニット搭載スペース同様、PCケース内部の広さを示すもうひとつの重要なファクターといえば、拡張カード搭載スペースだ。
横からの画像でも分かる通り、グラフィックスカードが位置する延長線を見ると、アルミ板が凹型にえぐられているため、そこそこのスペースは設けられている。“長モノ”ハイエンドグラフィックスカード搭載を見越した設計である事は明かだ。
冒頭、「H-Frame」はデザインPCケースという、In Winが新たな境地を開く試金石であると定義したが、さすがにその意気込みを感じさせる仕上がりだった。デザインも洗練されており、考えられた細部の設計も隙が無い。総じて「H-Frame」は完成度が高い製品だった。
一方で、いくら一般的な使い方ができるミドルタワースタイルとは言え、市場には手頃な良品PCケースの選択肢は多い。このモデルで少しでもシェアを伸ばそうなど、およそ難しい話である事はIn Winもよく分かっているはずだ。ライバルモデルを気にしない潔さも、自作派の注目を集める要因のひとつに他ならない。
しのぎを削るミドルタワーPCケース市場を尻目に、デザインPCケースという新たな提案を仕掛けてきたIn Winの動向は、これからも目が離せない。