エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.177
2012.09.26 更新
文:GDM編集部 絵踏 一
「MeduZa」はハイエンドクラスのゲーミングマウス同様、1000Hzのレポートレートを設定可能だ。レポートレートとは、マウスが読み取ったカーソルの動きをPCに送信する周期のことで、数値が高いほどレスポンスに優れていることになる。そこで「DirectX mouserate checker」を使用して、実際の数値(ピーク時)を計測してみることにした。
解像度を3200dpi(レーザーは3240dpi)で計測したところ、それぞれのセンサーともにレポートレート設定500Hz時に516Hz、レイテンシ1.94ms。1000Hz設定時に1029Hz、レイテンシ0.97msと実際の設定を反映する結果となった。「MeduZa」レポートレートはハイエンドクラスに十分並ぶもので、データ送信時の遅延もほぼ発生しないであろうことが期待できる。
また、マウスパッドの端などを利用して始点と終点を設定し、高速操作時における各センサーの追従性をチェックしてみた。往路を高速で操作しつつ復路をゆっくり戻ることで、高速時と低速時の挙動の違いを読み取ろうというものだ。
TPSスタイルのゲームでテストを行ったところ、すべてのセンサーにおいて最高解像度設定でも問題なく元の位置にカーソル(照準)が戻った。高速操作時にマウスポインターの速度が遅くなる「ネガティブアクセラレーション」の発生もなく、ゲーム中にマウスを高速で振り回す人にとっても「MeduZa」は安心して使えそうだ。
Windows標準の「ペイント」で直線補正の度合いをチェックする。若干の補正は効いているようだが、さほど強くはないという印象 |
さらに直線補正の度合いもチェックしたところ、こちらはさほど強い補正は効いていない様子。マウス側で“勝手に動きを補正する”ことはゲーム操作に違和感を生じさせることも多いため、こちらは好材料といえるだろう。
センサーを切り替えられるという奇妙なギミックが看板の割には、「MeduZa」は案外(?)普通に使えるゲーミングマウスだったという印象だ。それぞれ両脇に偏ったセンサー位置には多少違和感を覚えなくはないものの、概して不満も少なく、よく出来ている。デュアルセンサー「HDST」実装による、高解像度と高精度の両立もハイエンドモデルに匹敵する強力な武器になるだろう。形状から“かぶせ持ち”スタイル向けになるとは思われるが、これからゲーミングマウスを探そうというユーザーには十分検討に値する選択肢といえる。
ただしそこで気になってくるのは価格の問題。入力デバイス、特にゲーミングマウスは先行者がしっかりと地歩を固めている分野だけに、ギミックのインパクト以上の訴求ポイントが欲しいところだ。機能面の優秀さ優秀さや多彩さは好印象とはいえ、現状の実勢売価はやや高めに感じる。今後さらに中堅ユーザーが気軽に手を伸ばせる価格帯にまで推移してくれば、強烈な個性をもったミドルレンジモデルとして面白い存在になってくるだろう。
果たしてGeILの放つ“奇抜な”ゲーミングデバイス第一弾は国内市場でどう暴れてくれるのか、これからの展開に期待したい。