内部構造をチェックしていく

外観チェックが終わり、サイドパネルを外したところで、ここからは「Z9PLUS-DIV-U3」の内部構造をひとつずつ確認していこう。
　奇をてらわない設計だけに、内部レイアウトはいたってシンプル。マザーボード搭載エリアはフラットで、組み込み作業時妨げになるものは一切無い。
　また内部はブラック塗装が施され、1万円以上で販売されているボリュームゾーンのPCケースとなんら遜色なく、税込5,980円というバリューモデルには見えない。

開口部も広く、マザーボードの搭載時に妨げになるものはない。内部構造はシンプルで、剛性も十分に確保されている

スペック表では分かりにくいドライブベイ

「Z9PLUS-DIV-U3」のドライブベイは、5.25インチオープンベイ×3段、5.25インチ/3.5インチ排他オープンベイ×1段、3.5インチシャドウベイ×5段、2.5インチシャドウベイ×1段。さらに5.25インチオープンベイ×1段はフロントI/Oパネルユニットで占有済み、また5.25インチサイズで3.5インチ/2.5インチ共用変換トレイ×1個も装着されている。スペック表やテキストではなかなか分かりにくい設計だけに、ここは画像で理解して頂こう。

5.25インチベイ

内部から確認すると5.25インチベイは全部で5段。ただし標準で最上段はI/Oパネルユニットで占有済み、最下段はSSDやFDDが搭載できる3.5/2.5インチ共用変換トレイが固定されている

5.25インチのブランクパネルは全段金属疲労による切り離し方式。ただし上2段はネジ留めにも対応し、切り離した後でも再度ブランクパネルでドライブベイを塞ぐ事ができる。なおブランクパネルは通気性を考慮したスリットが設けられていた

5.25インチベゼルは防塵フィルタ付き。固定にはフロントパネルへのツメを利用するため、着脱時は必ずフロントパネルを外さなければならない。人によっては面倒と感じるだろう

光学ドライブは非ツールフリー。マニュアルによれば、付属のハンドスクリューで固定するように記されている。普通は一般的なミリネジで固定する場所だけに、やや仰々しい

3.5インチシャドウベイ

現時点、大容量ストレージの主役はやはりHDD。容量単価も落ち付き、大量動画データ需要にも応える全5段分が用意されている。ちなみにフロントパネル面には、ストレージ冷却用の120mmファンが確認できる

標準搭載の120mmファンを外してみる。3.5インチシャドウベイ側面は通気孔が設けられ、フロントファンからの吸気ロスを低減する役割を果たす

3.5インチHDDは独特な固定方式。まずHDD側面にある3箇所のネジ穴のうち、ピッチの狭い2箇所に同梱のゴム製「Anti-static rubber」を専用ネジ「D Bolt」で固定。これをシャドウベイに設けられた溝にスライド装着し、さらに残ったHDD側面のネジ穴1つを利用して付属のハンドスクリュー「E Bolt」で固定する。またシャドウベイにはプラスチック製のレバーがあり、「D Bolt」のネジヘッドに引っ掛かるよう工夫されている。よく考えたなぁと感心はするものの、大歓迎ではない部類の機構

3.5インチ/2.5インチ共用3in1トレイと側面の2.5インチ専用ベイ

5.25インチベイにネジ留めされている、3in1トレイ。ここには3.5インチFDD/HDD/SSDまたは2.5インチSSD/HDD等が搭載できる

FDD需要が激減している現在、3in1トレイが活躍するのは2.5インチSSDのマウントだろう。固定方法はSSD底面にあるネジ4箇所を利用。付属のインチネジを使う

マザーボードトレイ背面には、2.5インチ専用シャドウベイが1つ用意されている。3in1トレイが占有されている場合はここを使えばいい