エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.183
2012.10.25 更新
文:GDM編集部 池西 樹
「FM2-A85XA-G65」 市場想定売価税込13,000円前後 製品情報(エムエスアイコンピュータージャパン株式会社) |
さて本題に入る前に、エルミタレビューでは初登場となる「Trinity」こと第2世代「AMD A」シリーズについて簡単に紹介しておこう。
「Trinity」の製造プロセスは先代「Llano」と同じ32nmプロセスだが、中身はまったくの別物だ。CPUコアは初代Bulldozerアーキテクチャからハードウェアプリフェッチの拡張や命令セットの追加が行われ、パフォーマンスを改善した第2世代Bulldozerアーキテクチャの「Piledriver」コアを採用。TDPに余裕がある範囲内でCPUのクロックを向上させる「AMD Turbo CORE Technology」も実装され、フラグシップモデルA10-5800Kでは最高4.2GHzの高クロック動作を可能とした。
またGPUコアもEvergreen世代(Radeon HD 5000シリーズ)からNorthern Islands世代(Radeon HD 6000シリーズ)へと拡張され、モデルナンバーも「Llano」のRadeon HD 6000Dから7000Dへと変更されている。
製品ラインナップは4コアモデルが「A10-5800K」「A10-5700」「A8-5600K」「A8-5500」、2コアモデルが「A6-5400K」「A4-5300」の計6モデル。これまで通りモデルナンバーに“K”が付く製品は内部倍率可変でオーバークロック動作が可能となる。
「Trinity」では904pinの新ソケットSocket FM2が採用される。残念ながらSocket FM1との互換性はなくマザーボードは新規購入が必須となる |
「Trinity」では内部アーキテクチャの大幅な変更のため、対応ソケットはSocket FM1からSocket FM2へと刷新された。残念ながら2つのソケットに互換性はなく、「Trinity」を使う場合にはマザーボードの新規購入が必須となる。
これに合わせてチップセットも「AMD A85X」が新たに追加されている。こちらは「AMD A75」の上位に当たる製品でPCI-Express2.0(x16)のレーン分割が可能となり、マルチグラフィックスCrossFire Xに正式対応。またSATA3.0(6Gbps)が6ポートから8ポートへと強化されている。特にSATA3.0(6Gbps)の拡張は、SATA3.0(6Gbps)が2ポートに制限されているコンシューマー向けIntelプラットフォームに対し、大きなアドバンテージとなるだろう。
MSI「FM2-A85XA-G65」はチップセットに「AMD A85X」を搭載したATXマザーボード。“65”型番から分かる通り、MSIマザーボードではハイエンドに位置する製品で、同社の品質基準「ミリタリークラスIIIスター4」に準拠。残念ながら高効率電源チップ「DrMOS II」には非対応だが、低インピーダンスなタンタルコアチョーク「Hi-C CAP」「スーパーフェライトチョーク」「アルミ固体電解コンデンサ」など高品質コンポーネントで固められている。
またオーバークロック機能も豊富に用意され、ボタン1つでオーバークロックが可能な「OC Genie II」ボタン、テスターで各種電圧を確認できる「Vチェックポイント」、バラックでのテストに便利な「Easy Button」を搭載。さらにデジタル制御で正確かつ安定した電源供給を行う「DigitALL Power」やオーバークロック時でも安定したベースクロックを生成できる外部クロックジェネレータ実装するなど、オーバークロック耐性も強化されている。
次に拡張面に目を向けると、「AMD A85X」の機能を活かしSATA3.0(6Gbps)は8ポート。拡張スロットはPCI-Express2.0(x16)×2、PCI-Express2.0(x1)×3、PCI×2で、マルチグラフィックス機能はCrossFire XとDual Graphicsに対応する。
「ミリタリークラスIIIスター4」準拠が大きくアピールされたパッケージ。ハイエンドらしくサイズは実測で330×275×83mmと大柄な部類 |
ブルーのアクセントが美しい「FM2-A85XA-G65」の基板構成。大型の冷却用ヒートシンクが搭載されハイエンドらしい風貌を備えている |
付属品一式。ドライバCD、ユーザーマニュアル、アプリケーションマニュアル、バックパネル、SATAケーブル×2、M-Connector、V-Check Points用コネクタなどが同梱されていた |