エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.185
2012.10.29 更新
文:GDM編集部 松枝 清顕
「P280-MW」は、既存の「P280」をただマットホワイト塗装にしたカラーバリエーションモデルではない。両者の大きな違いは冷却ファンレイアウトだが、「P280」には装備されていたトップ120mm口径×2基が「P280-MW」では省略されている。電源ユニットボトムレイアウトにより、天板がフリーになり、多くのモデルでは排気ファンを設けているが、ここを敢えて塞ぐ事で「P280」より高い静音性を目指したワケだ。静音コンセプトを明確に打ち出したAnecのメッセージを感じる部分だが、いわゆる“窒息系”を歓迎しない自作派からは、ひとことふたこと指摘されそうなポイントとなるだろう。
「P280」では標準だったトップ120mm口径ファン×2の採用を見送った結果、天板裏には通気孔すら見当たらない。高い冷却性能よりも静音性を選択したAntecのギャンブルだが、賛否両論分かれるところになるだろう |
リア120mm口径「TWOCOOL」ファンを内部から観察。回転数2段階調整スイッチの基板には、給電用4pinペリフェラルコネクタが確認できる。 | 切り替えスイッチは背面のトップ部にあり、稼働中の調整も可能。残り3つの穴はブランクになっている |
リア120mmファンだけという潔さと、静音を重視したAntecの明確なコンセプトに賛同する人は多いだろう。一方で、そうは言っても心許ないと感じる人も少なくないはず。そこで「P280-MW」では、大切なデータが格納されているストレージの搭載箇所に、増設ファンスペースを設けている。
2.5/3.5インチシャドウベイ部に直接外気をあてる事ができる、120mm口径ファン増設スペース。縦に2基搭載可能で、2本のネジで固定する。なお増設ファンに面したフロントパネルには、着脱式防塵メッシュフィルターがレイアウトされている |
防塵メッシュフィルターは着脱式。上部2つのツメで固定されているため、簡単に取り外す事ができるため、不着したホコリをこまめに掃除することができる。なおフィルターは“網戸”に近いタイプ |
2.5/3.5インチシャドウベイ横にも120mm口径ファン2基の搭載スペースがある。フレームに引っ掛けるだけで装着できるツメが用意されており、さらに付属のタッピングスクリューで固定できる |
ストレージ搭載部にフォーカスされた、エアフローレイアウト。フロント側増設ファンはフロントドアの側面にある隙間から吸気し、SSD/HDDに直接風を当てる。さらに内部寄りの増設ファンは、シャドウベイのエアフロー補助をしつつ、拡張カードへ直接風を当てる役目も果たす |
外観から内部構造まで隅々チェックした後は、付属品総チェックだ。「P280-MW」の付属品は、チャック袋ひとまとめに組み込みで使用するネジ類一式が一緒くたに収められている。なお組み込みマニュアルについては、非常に簡易的なペラ“1枚”しか付属していない。イマドキ珍しいなと思いつつ目を通すと、詳細マニュアルは電子化され、オンラインで閲覧できる仕組みになっていた。これはAntecが推し進める「グリーンコンピューティング」の一環らしく、地球に優しい取り組みというワケだ。ただし指定のURLに行くと、「P280」以外のバリエーションモデルについては執筆時点(2012年10月末)、なんと準備中。マニュアル無しでも組み込むことはできるが、ライトユーザーはぜひこのレビューを参考にして頂ければと思う。
タッピングスクリュー×4本は、ドライブベイ部120mm口径ファン固定用 | フロント120mm口径ファン増設用ネジは4本 |
マザーボード固定の台座になる金色のスタンドオフ。 | 「P280」の電子マニュアルに照らし合わせると、恐らく2.5インチトレイマウントネジと思われるミリネジ×8本 |
マザーボード固定用インチネジは10本付属 | 電源ユニット固定用インチネジ×4本 |
光学ドライブおよび2.5インチSSD固定用ミリネジ | Antecユーザーならお馴染みの3.5インチトレイマウントネジ |
ケーブル結束用タイラップ | 恐らく予備として1つ付属されている防振用シリコングロメット |
4つ折にされた簡易マニュアル。正確な日本語表記もあるが、組み込みマニュアルとしては心もとない。オンラインマニュアルのUPを待とう |