エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.189
2012.11.11 更新
文:GDM編集部 池西 樹
前述の通り、NANDフラッシュにはAndroid OSがプレインストールされているため、ディスプレイとネットワークケーブルを接続し、USBポートにキーボートとマウスを差し込んで電源をいれればOSが起動する。Android OSではタッチ操作が基本だが、「APC」ではキーボードとマウスに最適化されており、通常のWindowsと同じような感覚で各種操作を行うことができる。
「APC」に搭載されるAndroid OSのキーボードレイアウト。ファンクションキーなどに独自機能が割り当てられている |
「APC」ロゴが表示される起動画面。一般的なマザーボードと違いBIOSセットアップ画面は用意されていなかった |
起動直後のAndroid OS画面。アイコンなどもなく検索バーのみのシンプルなデスクトップが表示される |
言語設定で「日本語」を選択すれば、日本語表示にも対応する |
自宅のネットワークにあわせて「Configure ethernet」を設定するだけでインターネットへ接続できるようになる |
インターネットへ接続するために行う設定は「Configure ethernet」のみ。PCの設定に慣れていないユーザーでも簡単に作業を行うことができるだろう。ちなみに無線LAN機能は標準では搭載されていないが、マニュアルによればRalink「RT3070」「RT5370」チップを採用したUSBドングルが利用できるとのこと。
デフォルトでインストールされているアプリケーションは「File Manager」「YouTube」「カレンダー」「ダウンロード」「ブラウザ」「メール」「設定」「連絡先」の8種類。残念ながら標準ではGoogle Playに対応していないため、アプリケーションのインストールはapkファイルを用意する必要がある。
プレインストールアプリケーションもシンプルな構成。なおapkファイルを別途用意すればアプリケーションの追加は可能だった |
「FileManager」では、microSDやUSBメモリにアクセス可能。ちなみに画像ファイルや動画ファイルはダブルクリックで閲覧/再生ができる |
「YouTube」アプリケーション。ファイルの検索やデータ読込はPCより時間がかかるが、動画再生はコマ落ちもなくスムーズな再生が可能 |
「ブラウザ」アプリケーション。Flashの表示はできないがエルミタサイトも特に表示が崩れることなく閲覧できた |
近頃では安価な中華タブレットでも4コアプロセッサが当たり前となっているなかで、「APC」の「PRIZM WM8750」はかなり非力な部類。使用する前は“まともにつかえるのか?”と少々疑っていたが、我慢できないほどではなく、思っていたより軽快に動作するというのが率直な感想だ。ちなみに消費電力は3W~5Wと低く、常時起動でもまったく問題にならないだろう。日本語の入力環境をどうするかなど、クリアするハードルはあるものの、工夫次第で面白い使い方ができそうだ。
今回はVIAから発売されたシングルボードコンピュータ「APC」についてレビューをお届けしてきた。ディスプレイ、キーボード、マウス、ネットワークケーブルを用意するだけでインターネットへ接続できるシンプルさ、そして49ドルという価格は、まさに“誰でも簡単にインターネット環境を構築できる”コンセプトどおりの製品だ。
またこういった製品の常としてユーザーフォーラムも充実しており、最近では専用Linuxや、独自の利用方法などを紹介したサイトも多く見られるようになっている。
パフォーマンス面では正直見劣りする面があるのも事実だが、そこは許容しつつ「APC」にできることを考えながらのんびりと付き合っていくのが正解だろう。