エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.193
2012.11.28 更新
文:GDM編集部 池西 樹
ベンチマークテストによるパフォーマンスチェックが終わったところで、続いて実際の運用環境に則した検証を行なっていこう。まずは定番のOSの起動時間から。今回はWindows 7のロゴが表示されてから、スタートアップに登録しておいたテキストファイルが表示されるまでの時間をストップウォッチにて測定している。
Windows 7の起動時間 |
今回はOS、アプリケーション、ベンチマークソフトのみの比較的クリーンな環境にも関わらずHDDに比べてSSDで約20秒、RAID 0では約30秒も起動が高速化された。やや古めのHDDを利用していることを差し引いてもSSDやRAID 0環境の導入効果が大きいことがわかる。
次に重量級アプリケーションを代表してAdobe Photoshop CS6の起動時間をチェックしていこう。こちらは約4MBの画像ファイルをダブルクリックして、編集が可能となるまでの時間を測定した。
Adobe Photoshop CS6の起動時間 |
Adobe Photoshop CS6では、SSDによる高速化効果が思いの外高く、SSDとRAID 0では2秒と余り大きな違いはでなかった。しかしHDDとの比較では1/5まで短縮化されており、その効果は圧倒的。Adobe Photoshop CS6のような重量級アプリケーションを利用する場合はCPU、メモリに加えて必ずストレージ性能にもこだわりたい。
次にゲームの起動時間をDirt3を使ってチェックしていこう。こちらはデスクトップのアイコンをダブルクリックしてから、オープニング画面が表示されるまでの時間を測定している。
Dirt3の起動時間 |
こちらはAMDプラットフォームと同様、SSDやRAID 0による高速化の効果があまり見られなかった。データ読み込み以外の作業が多く発生する場面では、パフォーマンス向上が限定される点は覚えておこう。
最後にディスク性能がダイレクトに結果に現れるデータコピー時間について検証していこう。今回は無作為に選択した約10GB、2,000個のファイルコピーにかかる時間を測定している。
ファイルコピー時間 |
読込と書込が同時に発生する同じディスク間でのファイルコピーのため、HDDではいずれも約4分と非常に時間がかかる処理だが、SSDでは約50秒、RAID 0では約30秒と大幅に作業時間が短縮化された。特にRAID 0による高速化は圧倒的で、初めの計測では思わずストップウォッチを押すのが遅れてしまったほど。データの移動やコピーを頻繁に行うなら、迷うことなくRAID 0の導入をおすすめしたい。
「M5 Pro」を使ったRAID 0検証2回目となる今回は、Intelプラットフォームにおけるパフォーマンスをテストしてきた。シーケンシャルアクセスについてはもちろん、AMDプラットフォームでは変化のなかったNCQのランダムアクセスも大幅に高速化されておりその効果は抜群だ。当然ながら実環境に則したテストでもその性能は遺憾なく発揮され、特にファイルコピー速度は、同じシステムとは思えないほど劇的に改善される。
Intelプラットフォームでは、SATA3.0(6Gbps)が2ポートに制限されているため、RAID 0を構築してしまうとそれ以降SSDを増設できないデメリットがある。しかしそのデメリットを差し引いても十分導入する価値はある。特にIntel X79 Express環境では8DIMMによる大容量メモリも比較的簡単に実装可能。仮想メモリをOFFにしてやればSSDへの負担を軽減しながら、システム全体の更なる高速化も可能になる。まだRAID 0に躊躇しているならこの機会にぜひ「PX-128M5P」を使ったRAID 0環境を試してみて欲しい。