エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.195
2012.12.07 更新
文:GDM編集部 松枝 清顕 / 池西 樹
今回借り受けた評価機は、なかなかのハイスペックである事が分かったが、“ツルシ”の状態ではどんな構成だろうか。ここはサイコムの製品サイトで確認してみることにしよう。
OSなしの基本構成売価は税込71,270円(2012年11月26日現在)。CPUこそIntel Celeron G440(1.60GHz/TDP35W)だが、Bitfenix「Prodigy」のスタイル、さらに標準でCORSAIR「CWCH60」(水冷ユニット)が採用される点など、他人とは違ったPCが欲しい人には十分魅力的な価格ではないだろうか。この構成をベースに、使用目的と予算に応じ、豊富なカスタマイズ項目からパーツをチョイスすればいい。
ちなみに以前お届けしたインタビューにもご登場頂いた、サイコムのプロダクトマネージャー・山田 正太郎氏に受注傾向を伺ったところ、購入者のほとんどがカスタマイズするそうだ。8割はCPUをIntel Core i7系に、グラフィックスカードはGeForce GTX 660Ti以上にそれぞれアップグレード。さらに9割がたCPUクーラーも水冷をチョイスし、メモリと電源ユニットは基本構成のママ(メモリ容量は16GBにする人も増えているそうだ)。PCケースのカラーの割合は、ブラックとホワイトは半々といったところらしい。
なお評価機の構成通りにカスタマイズすると、合計金額は145,100円と相成った。Mini-ITXでATXのミドルタワー並のスペック、さらにWindows 8 インストールともなれば、この程度の予算は用意しておきたい。
「G-Master Cutlass-ITX」の概要を確認したところで、ベンチマークテストを行ってみたい。評価機はなかなかハイスペックなカスタマイズが施されており、各テストにおけるスコアは大いに期待できるだろう。
最初にゲーム性能をベンチマークを使って検証してみよう。まずはテッセレーションを多用するDirectX 11対応ベンチマークソフト「Unigine Heaven DX11 Benchmark 3.0」だ。今回はハイエンド構成ということもあり、品質設定は「Tessellation」を“Extreme”、「Shaders」を“High”、「Anisotropy」を“16×”、「Anti-aliasing」を“8×”にセット。解像度は1,280×720ドットと1,920×1,080ドットの2パターンでテストを行った。
Unigine Heaven DX11 Benchmark 3.0 |
最高負荷のテストながら、1,280×720ドットではAverage FPSで60fpsを超える高スコアを計測。さすがに1,920×1,080ドットではAverage FPSは60fpsを下回るものの、こちらもシングルプレイの合格点である30fpsは楽々とクリア。Unigine Engineを使用したゲームなら、高画質・高解像度でも十分対応できるだろう。
続いてDirectX 11世代のゲームベンチマーク「LostPlanet2ベンチマーク」だ。品質設定は「アンチエイリアス」“CSAA32X”、それ以外をすべて“High”の最高設定にセットし、解像度は1,280×720ドットと1,920×1,080ドットの2パターンを選択している。
LostPlanet2ベンチマーク |
1,280×720ドットで83.1fps、1,920×1,080ドットで62.4fpsといずれも60fpsを超えており、最高品質でも快適なプレイが可能だ。GeForce GTX 670ではDual Link DVIもサポートされているため、WQXGA(2560×1600ドット)クラスのディスプレイと組み合わせて超高解像度プレイを試してみるのもいいだろう。
次に同じくDirectX 11世代のFPSゲーム代表として「Aliens vs. Predatorベンチマーク」でも測定を行った。品質設定は特に変更せず、解像度は1,280×720ドットと1,920×1,080ドットの2パターンを選択している。
Aliens vs. Predatorベンチマーク |
比較的軽めのベンチマークということで、いずれも60fpsを遙かに上回る高いスコアをマークした。また1280×720ドットと1,920×1,080ドットの結果を見る限り、CPUによるボトルネックも感じられず、CPUとGPUのバランスがとれた構成であることがわかる。
最後に、2013年に「新生エオルゼア」としてローンチが予定されている「ファイナルファンタジーXIVベンチマーク」でも測定を行うことにした。
ファイナルファンタジーXIV オフィシャルベンチマーク |
スコアを確認すると“Low”で7,409、“High”でも6,300を計測。8段階の快適度はいずれも上から2番目にあたる“とても快適”で、描画クオリティを高めに設定しても快適なゲームが可能なレベル。新バージョンで多少動作が重くなったとしても、十分なパフォーマンスを備えているといっていいだろう。
最後に動作温度と消費電力についても確認をしておくことにしよう。アイドル時は30分放置して最も低い状態、高負荷時は「OCCT 4.3.1 POWER SUPPLY」テスト実行中で最も高かった時点とした。
CPUコア、GPUコアの動作温度(室温22℃) |
消費電力 |
CPUコア温度、GPUコア温度とも70℃前半に収まっており、ハイエンド構成としては十分合格点。一般的なゲーミングPCよりかなりコンパクトな筐体ながら冷却性能に不安はない。また消費電力は最高281.1Wまで上昇しているが、搭載電源がANTEC「EarthWatts EA-650 Green」(650W)ということで、こちらもまだまだ余裕がある。長時間のゲームプレイで、高負荷が長時間続くような状況でも温度、消費電力とも特に問題ないだろう。