エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.199
2012.12.22 更新
文:GDM編集部 絵踏 一
3DMark 11 Version1.0.3による各電圧の変化 |
3DMark 11 Version1.0.3による各電圧の最大/最小/平均値 |
次は定番ベンチマークソフト「3DMark 11 Version1.0.3」を使用し、主にゲームプレイ時における電圧変動をみてみよう。プリセット設定は最も負荷の高い「Extreme」にセット。ちなみにベンチマーク中の消費電力は195Wほどだった。
電圧変動幅を確認したところ、「OCCT 4.3.2 PowerSupplyTest」とまったく同じ数値に落ち着いている。平均値こそやや異なるものの、負荷がかかった際にほとんど同じ挙動を示していることが読み取れる。「SilentNight 500」は、ゲームプレイ中においても常に安定してブレのない出力が可能なようだ。
Unigine Heaven DX11 Benchmark 3.0による各電圧の変化 |
Unigine Heaven DX11 Benchmark 3.0による各電圧の最大/最小/平均値 |
最後はDirectX 11対応のベンチマークソフト「Unigine Heaven DX11 Benchmark 3.0」を使用し、グラフィックスカードへ集中的に負荷をかけた場合の電圧変動をチェックする。品質設定は「Tessellation」を“Extreme”、「Shaders」を“High”、「Anisotropy」を“16×”、「Anti-aliasing」を“8×”、画面解像度を1,920×1,080ドットにセットし、できるだけ高い負荷がかかるように設定している。なお、ベンチマーク中の消費電力は205Wほどだった。
感心なことに、それぞれの電圧変動幅は「3DMark 11 Version1.0.3」、「Unigine Heaven DX11 Benchmark 3.0」とまったく同じ数値を記録、「SilentNight 500」の極めて高い安定性を示している。変動幅自体も+12Vで約0.09V、+5Vと+3Vで約0.04Vとごくわずか。電源ユニットにとって最も大切な安定動作は十分クリアできているといえるだろう。
ファンレス電源と聞くと、何やら制限も多く使いにくい製品という印象があった。しかし「SilentNight 500」の使い勝手は一般的なファン搭載の電源ユニットと変りなく、むしろ性能的な完成度はかなりの高レベルといえる。ファンレスによる冷却も初めこそ不安材料だったものの、巨大ヒートシンクによる一体型冷却機構の効果はかなり優秀。テスト中も遠慮なく暖房をきかせていたにも関わらず、ほんのり人肌くらいに温まる程度で余裕もまだまだ感じられる。500Wという容量にしては多少割高な価格設定ながら、「SilentNight 500」は“ファンレスでも大丈夫”と感じさせるだけの十分な実力と信頼性を備えているようだ。
ただしいくら冷却機構が優秀とはいえ、ケース内の環境には多少なりとも気を使いたいところ。大げさな処理まではいらないものの、エアフローをしっかり確保し、「SilentNight 500」が働きやすい環境を作ってあげる必要はあるだろう。逆に言えば、そういったマネジメントができる知識や自信があればファンレス電源の運用も冒険ではない。恐らくこれまでのファンレスモデルでトップクラスの実用性をもっていると思われる「SilentNight 500」を迷うことなくチョイスし、ぜひとも“無音”のアドバンテージを体感してもらいたい。