エルミタ的一点突破 Vol.28
2012.12.26 更新
文:GDM編集部 松枝 清顕
「NH-L9i」「NH-L9a」の冷却ファンは共通で「NF-A9x14 PWM」がマウントされている。Noctuaのコーポレートカラーが印象的な92mm口径の14mm厚モデルで、型番でも分かるようにPWMに対応。デフォルトスペックは最大2,500rpm/23.6dBAで、最大風量は57,5 m³/hとされる。さらに同梱の「Low-Noise Adaptor (L.N.A.)」を使えば、最大1,800rpm/14.8dBA/40,8 m³/hまで回転数を落とす事が可能。冷却能力との兼ね合いを考慮しつつ、静音化には有効な手段となる。
ロープロファイルCPUクーラー向けに設計されたカタログモデル「NF-A9x14 PWM」。軸受けはSSO2ベアリングで、MTBFは150,000時間とされ、6年間の保証が提供される |
インペラには溝が設けられ、末端で起こる渦気流を抑え込み、スムーズなエアフローを作り上げることができる。これにより、ロスのない風をヒートシンクに送り込むことができ、静音効果も向上するという |
フレームの四隅に貼り付けられているのは防振ゴムラバー。冷却ファンの駆動振動を伝えない配慮だが、こんな部分もNoctuaカラーにしている所は心憎い |
CPUクーラー本体の概要を確認したところで、付属品をチェックしておこう。「NH-L9i」「NH-L9a」共に固定用パーツ点数は非常に少なく、極めてシンプル。これは重量の軽い小型CPUクーラーだけに、大掛かりなリテンション機構の必要がないこと。さらにIntel用・AMD用の2モデルを用意したことで、必要な部品だけ同梱すればいいというワケだ。
単品発売されているグリス「NT-H1」。容量は1.4mlで、海外でも評判は高い
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Noctua製品ではお馴染みの「Low-Noise Adaptor (L.N.A.)」。ファンコネクタに接続することで、回転数を減速することができる
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「NM-IBT4 Mounting-Screw」は、マザーボード背面から本体を固定するために使用
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冷却ファン換装用ネジも念のため同梱。“ツルシ”で使う場合は不要
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AMD用「NH-L9a」のみの付属品となる金属製バックプレートには、絶縁処理が施されている
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ぱたぱた折りたたまれたマニュアルに日本語表記は無いものの、図説だけで組み込みは十分可能
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実稼働テストに向け、マザーボードに「NH-L9i」を取り付けてみることにしよう。同梱品チェックでも分かるように、「NH-L9」シリーズのパーツ点数は非常に少ない分、搭載手順も簡素化されている。Intel用「NH-L9i」に限っては、マザーボード背面から4本の「NM-IBT4 Mounting-Screw」をねじ込むだけという、実にアッサリとしたもの。マニュアルを開く必要もなく、ものの数分でマウントは完了してしまうのだ。
「NM-IBT4 Mounting-Screw」をCPUソケット四隅の穴を使い、ねじ込めばマウント完了。近頃稀なる手軽さには拍子抜けしてしまうほどだ |
規格に沿った設計により、メモリスロットは完全に避けられていることから、大型ヒートスプレッダ付きメモリでもご覧の通り |
拡張スロット付近のクリアランスも確保され、デスクトップ並のPCが構築できるようになったMini-ITXのポテンシャルは十分に発揮できる |