エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.201
2012.12.30 更新
文:GDM編集部 池西 樹
続いて「CINEBENCH R11.5」を使い、CPUコアのパフォーマンスがどの程度向上するのかチェックしていくことにしよう。
CINEBENCH R11.5のベンチマーク結果 |
CPUのコア性能がリニアに反映されるベンチマークだけに、オーバークロックによって順調にスコアを伸ばしている。特に4.68GHzではシングルコアで約21%、マルチコアで約26%とプリセット設定ながら大幅にスコアが向上し、長時間のエンコード処理など重い作業ならその効果を存分に体感できるだろう。
小型のリファレンスクーラーでは定格運用が限界。オーバークロックをする場合は素直にCPUクーラーを購入したほうが賢明だ | オーバークロック動作で使用したサイズのサイドフローCPUクーラー「峰2」。実売4,000円前後とコストパフォーマンスもよく冷却性能も申し分ない |
プリセット設定によるオーバークロック動作を確認したところで、次にOCCT 4.3.2を使ってストレステストを実施した。すると定格では問題ないリファレンスクーラーだが、オーバークロック時は4.18GHz設定でも30分間のストレステストをクリアすることはできなかった。そこで今回はリファレンスクーラーの使用を諦め、サイズ「峰2」へと変更して再度ストレステストを実行したところすべてのプリセットで完走させることができた。
定格時の電圧設定(左)と4.18GHz動作時の電圧設定(右)。安定性重視のためかコア電圧はかなり高く、発熱も大きくなっている |
リファレンスクーラーでは、制限温度を100℃まであげてもOCCT 4.3.2のCPU Testをクリアできなかった |
定格クロックでのOCCT 4.3.2の結果。リファレンスクーラーでは定格でも75℃までコア温度が上昇しており、見た目通り冷却性能はそれほど高くない |
4.18GHzのOCCT 4.3.2の結果。「峰2」クーラーへと変更したことで無事完走。温度は最高で81℃とやや高いが常用でも特に問題ない |
4.43GHzのOCCT 4.3.2の結果。4.18GHzからほとんど変わりなく温度は最高でも82℃と常用レベルに収まっている |
4.68GHzのOCCT 4.3.2の結果。温度は一気に跳ね上がり最高95℃と常用するには躊躇するレベルだ |
「峰2」の使用で、4.18GHzや4.43GHzでは最高でも80℃前半と十分常用可能なレベルまで温度を抑えこむことに成功した。ただし4.68GHzでは最高95℃まで温度が上昇し、常用をするには少々躊躇するレベル。安定性を重視するなら4.43GHzまでが現実的なチョイスといえるだろう。CPUコア自体にはまだまだ余力が見られるため残念ながら、CPUコアとヒートスプレッダの関係に問題を抱えるIvy Bridgeでは、オーバークロック時の冷却には一際注意を払う必要がある。
またチップセットや基板の温度も合わせて確認したところ、2オンス銅箔層や大型のヒートシンクを採用していることもありチップセット、基板ともいずれも30℃前後と低く抑えられていた。
バラック状態という好条件もあるが、チップセット、システム温度ともまったく問題ないレベルに抑えられていた |