エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.206
2013.01.30 更新
文:GDM編集部 松枝 清顕
水冷キットの冷却能力を左右する重要な構成パーツとなるラジエター。自動車に搭載されているものをそのまま小さくしたような形状で、冷却ファンからの風を受け、冷却液を冷やすラジエターコアと、サイドタンクで構成される。唯一の違いはメンテナンスフリータイプだけに、ラジエターキャップやドレンプラグの類いは装備されていない。
ブラックに塗装されたラジエター。ウォーターチューブが直結された部分は、サイドタンクにあたる |
自動車のラジエターやエアコンの室外機と同じ作りのラジエターコア。ちなみに外形寸法は公称値で151×120mmの長方形 |
厚さは公称値32mmだが、実際に計測してみるとこの数値は外枠(冷却ファン固定用ブラケット)を含む寸法。ラジエター本体は実測約29mmだった |
「ELC240」のラジエター。ラジエターコアのサイズは幅約235mmだった |
基本的には「ELC120」を大きくしたものだけに、厚さなどの違いはない |
ラジエターおよび水冷ヘッドに外観上の個性は出しにくいものの、唯一ブランドが主張できるのが冷却ファンだ。各社からリリースされているライバルモデルを見ると、一般的なスクエアファンを採用し、中心部にはかろうじてブランド名の入ったシールが貼られている程度。しかし独自路線をひた走るENERMAXには、定評の汎用ファンが多数ラインナップされている。これを使わない手はなく、「ELC120」シリーズでは2種類の冷却ファンを用意。「ELC120-TA」「ELC120-TB」唯一の違いはここにあるワケだ。
「ELC120-TA」で採用されるPWM対応120mm口径ファン。摩擦と回転抵抗を抑制したマグネティックボール仕様の「Twister Bearing」採用「T.B.APOLLISH」タイプモデル。内蔵されるブルーLEDは、冷却ファンの中心部に向けてサークルを描くように発光。ENERMAXお得意の手法で、フレームにはENERMAXの文字が切り抜かれている |
「ELC120-TB」および「ELC240」で採用されるPWM対応120mm口径ファン。「Twister Bearing」仕様の「T.B.Silence」タイプモデル。独特なブレード形状は、静音性を保ちながら、通常の冷却ファンに比べ20~30%程度風量が多い。こちらはLED非搭載 |
モデル共通でドラム上部には、回転数が選べる3段階モード切り替えスイッチを装備。800rpmからスタートするPWMの可変範囲上限を1,500rpm(サイレント)、1,800rpm(パフォーマンス)、2,200rpm(ターボ)に設定できるというもの。隣り合わせの数値はさほどではないものの、最小と最大では700rpm差があり、使用用途や環境によって選択できる |
耐久性に優れ、内部冷却液の蒸発が限りなく0に近いという、フッ素樹脂(FEP)チューブ。長さは公称値で315mmとされている |
ポンプ一体型CPUヘッドからは、ポンプへ電源供給を行うマザーボード接続用4pinコネクタ(PWM)×1と、冷却ファンへ電源供給を行う4pinコネクタ(PWM)×2が伸びている。なおケーブル長は、それぞれコネクタ間で約250mmだった |