エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.207
2013.02.02 更新
文:GDM編集部 池西 樹
次にDirectX 10世代のパフォーマンスをチェックすべく、「3DMark Vantage1.1.0」でもスコアを測定した。プリセットは「3DMark11 Version 1.0.3」と同じ「Entry」と「Performance」の2種類を使用して計測している。
3DMark Vantage Version1.1.0 Entry |
3DMark Vantage Version1.1.0 Performance |
800MHzと1169MHzのGPUスコアを確認すると「Entry」で約15%、「Performance」で約17%と伸びはやや鈍化するものの、基本的な傾向は「3DMark11 Version 1.0.3」と同様。コアクロックに従ってしっかりとスコアを伸ばしている。このことから、Direct Xの世代に関係なく、GPUコアクロックのオーバークロックは効果が高いことがわかる。
ここからは実際のゲームベンチを使用してスコア計測してみることにしよう。まずはDirectX 11世代のゲームベンチ「LostPlanet2ベンチマーク」から。解像度は1,280×720ドットと1,920×1,080ドットの2パターンで、品質設定はすべて「Middle」にして計測を行った。
LostPlanet2ベンチマーク |
今回は設定をやや緩めにしているが、オーバークロック時でも30fpsを超えることはできず、LostPlanet2をやるには絶対的なパフォーマンスが不足している。1,280×720ドットであれば、画質設定をさらに落とせばとりあえず遊ぶ事はできそうだが、このクラスのゲームをするなら素直にグラフィックスカードの購入を検討したほうがいいだろう。
次にDirectX 9.0c世代の定番ゲームより、「MHFベンチマークソフト「大討伐」」を使用したテストを実行した。こちらも解像度は1,280×720と1,920×1,080ドットの2パターンを選択している。
MHFベンチマークソフト「大討伐」 |
「MHFベンチマークソフト「大討伐」」では、解像度に関係なく約10%スコアが上昇。実際のテストでも、1,920×1,080ドットでもたつきを感じるシーンが減り、より滑らかになった印象を受ける。もう少し3D性能が欲しい場合には、GPUコアのオーバークロックは有効な手段になるだろう。
次にGPUコアのチューニングによって、どの程度消費電力が変化するのか確認しておこう。アイドル時は10分間放置した中で最も低い値、高負荷時は「3DMark 11 Version1.0.3」ベンチマーク実行時で最も高い値とした。
GPUコアチューニングによる消費電力の違い |
グラフィックス性能の大幅な向上にも関わらず、アイドル時、高負荷時ともほとんど消費電力に違いは出なかった。耐性さえ伴えばGPUコアのオーバークロックはワットパフォーマンス的にも優れた手法と言えるだろう。“Trinity”シリーズで3D性能の不足を感じる場合には、まずGPUコアのオーバークロックを試してみるといいだろう。