エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.207
2013.02.02 更新
文:GDM編集部 池西 樹
最後に「FM2A85X-ITX」の最大の特徴である7口のSATA3.0(6Gbps)ポート利用したRAID構成を試してみることにしよう。今回は起動ドライブ用に使用した1ポートを除く6ポートすべてを使ってRAID 0を構成し、台数によってどのようにパフォーマンスが変化していくのかチェックしてみることにした。なおSSDにはSandForce「SF-2281」を採用するADATA「SX900」シリーズ128GBモデル「ASX900S3-128GM-C」を用意し、「CrystalDiskMark 3.0.2e」を使って計測を行った。
「AMD RAIDXpert」設定画面。6台のドライブ選択画面はさすがに迫力がある |
合計7台分のSATA3.0ケーブルを用意するだけでも一苦労。結局マザーボード3枚分の付属品をかき集めてどうにか接続させた |
RAID 0(1台)
|
RAID 0(2台)
|
RAID 0(3台)
|
RAID 0(4台)
|
RAID 0(5台)
|
RAID 0(6台)
|
RAID 0(1台)
|
RAID 0(2台)
|
RAID 0(3台)
|
RAID 0(4台)
|
RAID 0(5台)
|
RAID 0(6台)
|
結果はご覧の通り。AMD A85XのオンボードRAIDでは、シーケンシャル読込は1,200MB/sec前後、書込も1,300MB/sec前後で頭打ちとなってしまい、それ以降は台数が増えても残念ながらパフォーマンスは増加しない。とは言え、単体時から2.5倍近い性能アップと大容量化を同時に実現できるという点では非常に有効な手段と言えるだろう。さらに、AMD A85XではRAID 5構成にも対応するため、高速かつセキュアな大容量ストレージを構築することもできる。
RAID 5構成のベンチマーク結果(左:「ランダム」、右:「All 0×00【0Fill】」)。パリティ制御の影響でRAID 0構成より若干パフォーマンスは低下するが、それでも十分高速だ |
ASRockからAMD A85Xチップ採用のMini-ITXマザーボードが登場するという話を耳にした時、正直そのメリットには懐疑的だった。というのも、AMD A75との違いはSATA3.0(6Gbps)のポート数とCrossFire Xのサポートしかなく、Mini-ITXではそのどちらも活かせる環境ではないと考えていたからだ。しかし、さすがはASRock。「FM2A85X-ITX」では、そんな筆者の想像を超えMini-ITXに計8ポート(内蔵7ポート+外付け1ポート)のSATA3.0をフル装備させてきた。とはいえ、動作が安定しなければ意味はないが、今回の検証では内蔵7ポートすべてにSSDを搭載させた状態でも安定動作が可能。RAID 0/5も問題なく構築することができた。また、基板デザインについても、非常によく考えられており、背面にネジやヒートシンクが伸びる大型のグラフィックスカードを搭載させた場合でも、SATAポートやUSB3.0ピンヘッダへの影響がないよう十分なクリアランスが確保され、拡張性を犠牲にすることがない点も特筆に値する。
加えて、ハイエンドと同等の電源回路や高品質コンデンサの採用により、オーバークロック用マザーボードとしても十分なパフォーマンスを発揮してくれる「FM2A85X-ITX」。もはやコンパクトPCやセカンドPCではなく、メインマシン用の主力マザーボードとして選択する価値のある1枚と言えるだろう。