エルミタ的一点突破 Vol.29
2013.02.09 更新
文:GDM編集部 松枝 清顕
まずは「阿修羅」のヒートシンクからチェックしていこう。このモデルの最大コンセプトは、ナロータイプ設計のヒートシンク。市場に出回る一般的なサイドフロー型CPUクーラーに比べ、アルミニウム製放熱フィンは見た目にも幅の狭さが分かるほど。CPUソケット周りの物理的干渉を考慮したスタイルは、これまでのサイズオリジナルCPUクーラーに比べ、スマートな印象に仕上げられている。
ナロータイプ設計の「阿修羅」外観。トップ部にはサイズのロゴがあしらわれた、ブラック色のプレートが装着されている |
φ6mmヒートパイプは6本で構成。ヒートシンクを真横から眺めると、そのレイアウトがよく分かる |
トッププレートをよく眺めてみると気が付くのはヒートパイプ末端の処理。これまでサイズオリジナルのサイドフロー型CPUクーラーといえば、ヒートイプが突き抜けた部分にプラスチック製キャップ装着が定番。しかし「阿修羅」ではトッププレートの下にそれを隠し、精悍なイメージに生まれ変わった |
アルミニウム製放熱フィンの枚数は50枚。フィンピッチは約2mm(実測値)だった。なおヒートシンク横幅のサイズは145.0mm、高さは161.0mm |
アルミニウム放熱フィンをよく見ると、1枚につき6つの凸が設けられている。フラットにするよりも風の流れるスピードを上げる効果を狙ってのデザインかもしれない |
こちらは真横。ヒートシンクの幅は公称値65.0mm。ちなみに同じくサイドフロー型CPUクーラー「MUGEN∞3 Rev.B」(型番:SCMG-3100)の幅は108mmで、43mmもスリムというワケだ |
次に「阿修羅」を下から眺めてみよう。受熱ベースプレート表面は鏡面仕上げが施され、φ6mmヒートパイプが6本接着されている。
「阿修羅」を下から眺めてみる。受熱ベース部をよく見ると、φ6mmヒートパイプ6本はヒートシンク状のブロックと受熱ベースプレートにサンドイッチされていることが分かる |
CPUのヒートスプレッダに直接接触する受熱ベースプレート。上下2つの部材で構成されている |
放熱フィン側のブロックは、9つのスリットが入ったヒートシンク形状。効果のほどは定かではないものの、少しでも放熱に貢献してくれればよしとしよう |
アルミニウム製放熱フィンに貫通するヒートパイプ。受熱ベース部に整然と並ぶヒートパイプは、ここからバラバラに各々の持ち場に分かれていく |
受熱ベースとヒートパイプの接合部。この部分の工作精度が悪ければ、冷却性能を十分に発揮することはできない。CPUクーラーの善し悪しを決める、要となる部分といえる |
ヒートシンク本体における、ヒートパイプのレイアウト。よくみると、前後のヒートパイプは一直線上ではなく、微妙に差がつけられたいることが分かる。ヒートシンク内部を通る風の流れや、放熱フィンへの熱の拡散の効率を考慮したレイアウトというワケだ |