エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.210
2013.02.22 更新
文:GDM編集部 松枝 清顕
「MS800 Plus」最大のアピールポイントは冷却機構と言えるだろう。標準で搭載されるのはトップ120mm×1基、リア120mm×1基、さらに3.5インチシャドウベイユニット部に92mm×1基。加えて拡張カード等任意箇所に直接エアフローを当てることができる「マルチガイド」と呼ばれるバーに92mm×1基が用意される。さらにオプションで、トップ120mm×1基、ボトム120mm×1基が増設可能。最大6基の冷却ファンが搭載できる。
ミドルタワーPCケースの冷却ファン搭載個数としては標準的だが、少々気になるのは設計上、最大口径が120mm止まりという点。なお標準搭載冷却ファンのスペックは非公開のため、後ほど動作テストで回転数および動作音を計測してみよう。
トップ部およびリア部は、それぞれ120mm口径ファンが各1基(トップのみBlueLED内蔵)標準装備。電源ユニットボトムレイアウト設計による、見慣れたL字型レイアウトを採用する。なおトップ部にはオプションでもう1基120mm口径ファンが増設可能。内部温度状況により、排熱を強化することができる |
標準装備のリア排気120mmファンの型番は「ZA1225CSL」。ラベルからDC12V/0.16Aのスリーブベアリングである事が分かる。インペラは7枚で、扇風機のようにいかにも風量を稼ごうという形状。コネクタはパルスセンサー対応の3pin仕様だ |
次に天板に用意される冷却ファンスペースをチェックすべく、トップパネルを外してみたところ、意外な事に気付いた。デフォルトではスケルトンタイプのBlue LED内蔵120mm口径ファンが搭載されているが、その横にはもう1基、冷却ファンが増設できるようになっている。製品資料を見ると、120mm口径ファン増設可能とされているものの、実は140mm口径ファン用のネジ穴も確認できる。大口径ファンが搭載できる事は、製品にとってプラス材料のはずだが、なぜか140mm口径ファン対応の記述がない。穴が空けられているものの、なにかと物理的干渉を起こす等、”言えない理由”があるのかと思いきや、念のため140mm口径ファンを2基並べてみたところ、別段問題は見当たらなかった。
トップ部に標準搭載されるスケルトンタイプの120mm口径ファン「ZA1225CSL」にはBlueLEDを内臓。DV12V 0.16Aのスリーブベアリングで、コネクタ形状は3pin。なお増設スペース共に、天板には140mm口径ファン用のネジ穴が用意されている |
ホットスワップ対応の2.5/3.5インチシャドウベイに標準搭載される、92mm口径ファンも確認しておこう。SATAコネクタ基板裏側にマウントされるこの冷却ファンは、上下にあるプラスチック製のツメで固定され、ドライブ側から見ると吸い出しで使用する事になる。フロントパネルとシャーシ間にスペースがないため、ストレージの後部に追いやられた格好だが、シャドウベイ内部の熱をかき出す手助けにはなってくれるだろう。
HDDケージに標準搭載される92mm口径ファン。型番は「ZA9225ASL」で、DV12V 0.12Aのスリーブベアリングタイプ | ボトム部の冷却ファン増設スペース。公称では120mm口径ファン×1基となっているが、よくみると140mm口径ファン用のネジ穴も。ただしホットスワップベイ搭載92mm冷却ファンがあることで、120mm口径ファン増設がやっと |
次に解説するのは、「MS800 Plus」自慢のマルチガイド。プラスチック製のVAG Guideを、シャーシ部上下にネジ固定。つまみを緩めることでスライドするGuide Clipで、グラフィックカードの末端を支え、さらに冷却ファンを装着すれば、任意のポイントに風を当てることができるというギミックだ。
プラスチック製のVAG Guide。デフォルト状態ではGuide Clipが3つ装着されており、重量級長モノグラフィックカードの末端を支える役割を果たすとともに、残り2つで同梱の90mm口径ファンが装着できる |
さらに3つGuide Clipが付属。グラフィックカード2枚挿し、さらに冷却ファンが最大2基搭載できるというワケだ。なおVAG Guideの固定用に、シャーシ側には3カ所のネジ穴を用意。グラフィックカードの長さにより場所を変えたり、冷却ファンの位置がある程度調整できる |
Guide Clipはつまみを緩めることで角度を変える事ができる。つまり、冷却ファンのネジ1点固定ならピンポイントで冷却したい箇所にエアフローを向ける事ができる |