エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.211
2013.02.24 更新
文:GDM編集部 池西 樹
次に3Dベンチマークの代表として最新ベンチマーク「3D Mark」を使用して計測を行った。プリセットはトップ画面の「Run all test」を使用し、それ以外の設定は特に変更していない。
3DMark Version 1.0.0の各電圧推移 |
3DMark Version 1.0.0による各電圧の最大/最小/平均値 |
3DMark Version 1.0.0テスト実行時の消費電力推移(W) |
これまでのストレステストと違い、消費電力は100Wから240Wの間を大きく変動しているが、+12V、+3.3Vとも出力に大きなブレは見られない。このことから「HX1050」は、消費電力が大きく変わる環境でも安定した動作が期待できる。
また冷却ファンは消費電力が230Wを超えたあたりで、2回(いずれも20秒ほど)回転しただけで、それ以外はファンレス駆動のままだった。ちなみに電源本体を触ってみたがほんのり温まる程度で、発熱も特に問題なさそうだ。
最後に3Dベンチマーク定番ソフト「3DMark 11 Version1.0.3」の結果も確認しておこう。今回はハイエンド構成であることから、プリセット設定は最も負荷の高い「Extreme」にセットして測定を行った。
3DMark 11 Version1.0.3の各電圧推移 |
3DMark 11 Version1.0.3による各電圧の最大/最小/平均値 |
3DMark 11 Version1.0.3実行時の消費電力推移(W) |
消費電力、電圧とも「3DMark Version 1.0.0」と傾向はほぼ同じ。消費電力は100Wから240Wまで大きく変動するが、電圧には影響はなく安定している。また冷却ファンはベンチマーク時間が短いこともあり、テスト中1回も回転することはなかった。シングルグラフィックス環境では、高負荷が長時間続かない限り完全ファンレス駆動も余裕を持って実現できることがわかる。
冒頭でも触れたとおり、最近のハイエンド電源ユニットはどれも品質が高く、電源容量や+12V出力と言った基本スペックで、差別化するのはとても難しい。そんな中、今回検証したCORSAIR「HX1050」は、しなやかで取り回しが容易なケーブル、接続しやすいコネクタなど、ユーザー目線にたった細やかな配慮が光る製品に仕上がっている。当然、安定かつ高出力の+12Vや最大1,050Wの電源容量など、基本性能もしっかりと抑えられており、ハイエンドPCでの利用にもまったく不安はない。
また、低負荷時は“ハイブリッド・サイレントファンコントロール機能”によりファンレス駆動が可能となることから、静音PCへの採用も魅力的だ。今回のテストでは、200W以下でファンが回転することはなく、ミドルレンジクラスのグラフィックスカードを組み合わせれば、高負荷時でも十分ファンレス動作が可能。さらに、万が一ケース内や電源温度が高くなった場合でも、即座に冷却できる安心感もある。下手にファンレス電源を使って無理をさせるよりも安定性や安全面でのメリットは大きいだろう。
標準的な外観に秘められた高い実力はまさに質実剛健。万人にオススメできる優秀な製品で、このまま返却するのが惜しいと感じる逸品だ。正直、後ろ髪を惹かれつつ返却のための梱包準備を進めたことを最後に付け加えておきたい。