エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.212
2013.02.27 更新
文:GDM編集部 絵踏 一/松枝 清顕
最後にテストするのは、最近公開が始まったばかりのバイオハザード最新作「バイオハザード6」のPC版ベンチマークだ。3月22日に予定されているPC版発売の前に、ミドルレンジグラフィックスカードでどこまでヌルヌルプレイできるのかを確かめてみよう。品質設定は初期設定のままとし、解像度のみを1,280×720ドットと1,920×1,080ドットの2パターンに切替えて計測を行った。
バイオハザード6ベンチマーク |
上記の「大討伐」同様DirectX 9.0cで動作するベンチマークテストだが、打って変わってかなり大きなスコア差がついている。両モデルともにゲーム自体は“とても快適”に動作するようだが、1,280×720ドットで7.7%、1,920×1,080ドットで6.3%の差は大きい。特に「GTX660-DC2O-2GD5」は50FPSを下回るシーンがほとんどなく、一貫してパフォーマンスを維持できているようだ。
静音・高冷却を謳うASUS自慢の大型クーラー「DirectCU II」。果たしてベンチマーク中にはどのように働いていたのだろうか。「3DMark」の「Extreme」プリセット実行時における最も高い数値を高負荷時、10分間何もせず放置した際の最低数値をアイドル時と設定し、「GPU-Z 0.6.7」でテスト中の挙動を計測してみることにした。
GPU温度計測 |
ファン回転数計測 |
両モデルともに高負荷時、アイドル時の変動はほとんどなし。誤差の範囲に収まっている。オーバークロックの影響で発熱アップは避けられないはずだが、「DirectCU II」自体がまだかなり冷却性能に余力を残しているようだ。さらに動作音も極めて静粛で、テスト中に気になるシーンはほとんどなかった。
最後に、「GTX660-DC2O-2GD5」動作中の消費電力をチェックしておく。オーバークロックでリファレンスを凌ぐパフォーマンスを手に入れたトレードオフはどれほどか、ワットチェッカーを使用して計測してみることにした。計測環境は上記と同様、「3DMark」の「Extreme」プリセット実行時における最も高い数値を高負荷時、10分間何もせず放置した際の最低数値をアイドル時に設定している。
消費電力計測 |
こちらもほとんど差はつかず。高負荷時に「GTX660-DC2O-2GD5」が3Wほど消費電力が上がっているものの、十分無視出来るレベルだ。消費電力の多寡を念頭にGTX 660のモデル選びを悩む必要はないだろう。余裕があればもう1枚追加、という選択肢も現実的かもしれない。
価格帯でターゲットを絞ってグラフィックスカードを探す時、一番気になるポイントはなんだろう。個人的には最も直接的に影響を受ける「パフォーマンス」と「静音性」がいの一番に気になってしまうのだが、その点ASUSの「GTX660-DC2O-2GD5」はリファレンスを凌駕するオーバークロック効果と、「DirectCU II」のもつ圧倒的な静粛性という魅力的な要素を兼ね備えている。
始めこそミドルレンジでこの大きさはアリなのかと首を傾げもしたものの、動作中の挙動をみて納得。負荷がかかってもわずかスズムシの鳴き声のような音が聞こえてくるだけで、バラック状態でもほとんど気にならず。フル回転時にはさぞ勇ましい音を響かせるのかと思いきや、ケースを閉めてしまえば周囲に紛れてしまいそうなほどの静かさだった。
さらにそのクーラーを載せている基板やコンポーネントが秀逸で、マザーボードや他パーツの技術を結集させた高耐久設計は初心者から玄人まで、誰でも安心して使えるメリットがある。数あるGTX 660搭載カードの中ではやや高価な部類に入る製品ではあるものの、選ぶ価値は十二分にある。静かでパフォーマンスに優れるほどよいミドル、探しているならこの「GTX660-DC2O-2GD5」を選択肢に加えない手はないだろう。