エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.214
2013.03.09 更新
文:GDM編集部 絵踏 一
ネットワーク接続できるAndroid端末は結構色んなことができるもので、「ANDROID KING BOX」を単なるメディアプレイヤーとして終わらせるのはもったいない。Google Playから対応アプリをダウンロードすれば、立派なネットワークメディアプレイヤーとして働いてくれるのだ。
まずホームネットワーク内のPCに、「Twonky Manager」や「Nero MediaHome 4」などのDLNAソフトをインストール。すると、「ANDROID KING BOX」側から「BubbleUPnP」などのメディアプレイヤーアプリを介してPCに蓄えたデジタルコンテンツにアクセスできる。PC内の動画をリビングのテレビで観たい、ちょっと音楽がほしい。そんな時はわざわざUSBメモリなどで持ち寄る必要はなく、アプリ経由で簡単に鑑賞できるというわけだ。さらに「ANDROID KING BOX」は通常のファイル形式はもちろん、TSファイルの再生も難なくクリア。いささかのコマ落ちもなく再生できたのは素直に感心だった。
ちなみに同様のアプリをスマートフォンにインストールすれば、スマートフォン内のメディアデータを「ANDROID KING BOX」を介してテレビに出力することもできる。スマホで撮った写真を大画面で皆に見せよう、そんなことも簡単にできてしまうのだ。
メディアプレイヤーアプリを使って、ネットワーク経由でPC内のコンテンツにアクセス。TSファイル形式の録画データもコマ落ちなく再生できた |
リビングに音楽を流したい、そんな時もアプリからPC内の音楽データを再生できる。同様のアプリがスマホに入っていれば、スマホ内のデータを「ANDROID KING BOX」経由で再生することも可能だ |
さらに、「Splashtop 2 – Remote Desktop」のようなリモートデスクトップアプリを使用すれば、「ANDROID KING BOX」上から直接PCを操作することもできる。PC側で配信ソフト「Splashtop Streamer」を起動しておく必要はあるものの、リビングのテレビ上にPCのデスクトップをそのまま表示できるのはかなり便利。多少のラグは存在するものの、ファイルのチェックやメールの送信など簡単なことなら問題なし。シャットダウンもアプリ上からできてしまうので、作業が終わった後も安心だ。
リビングに居ながらのPC操作も可能。予めPC側で対になるソフトを起動しておく必要はあるものの、離れた場所からそのままデスクトップにアクセスできる |
想像以上に“使える”アイテムだった「ANDROID KING BOX」。単にメディアを差し込んでテレビで見る、という役割かと思いきや、ネットワークを介して家中のコンテンツに手を伸ばせる懐の深い端末だった。それもひとえにGoogle Play完全対応によるアプリ群の豊富さのなせるワザ。ゲームはもちろん、映画や書籍にいたるまで配信してくれるGoogle Playの多彩なコンテンツは、家の中における「リビングPC」的な立ち位置にはピッタリだ。
安価ながらの多機能ぶり。テレビにぶら下がり、単なるメディアプレイヤーにとどまらない活躍が期待できる「ANDROID KING BOX」は結構アリな選択肢だ |
そもそもリビングPCという定義を考えたとき、正直リビングにおける要求にPCほどのスペックは必要なかった。その点必要十分なスペックで、ブラウジング、ゲームマシン、メディアプレイヤー、ネットワークメディアプレイヤーの一人多役をこなせるAndroid端末はまさに適役。ワットチェッカーの計測でわずか5Wという極めて低い消費電力も大きな魅力で、いかに省電力化を果たしたミニPCでもちょっと太刀打ちできそうにない。
さらになんと言っても、Android端末はコストパフォーマンスが優秀。「ANDROID KING BOX」は操作用のエアーマウスをはじめ必需品が全てついてくるというお得なパッケージでもあるのだが、これが1万円半ばで買えてしまうのは正直スゴイ。PCでもなくタブレットでもなく、スマホでもない。そんな「Android端末」って結構アリじゃないでしょうか、と言ってみる。