エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.215
2013.03.16 更新
文:GDM編集部 松枝 清顕
Fulmo ST(型番:ECA3270A-G-BL/ガンメタル) 市場想定売価税込10,980円前後(2月22日発売) 製品情報(ENERMAX)(株式会社リンクスインターナショナル) |
電源ユニットボトムマウントがデファクトスタンダードとなったミドルタワーPCケース。これによりPCケース内部の設計自由度は格段に向上した。その恩恵を最も受けたのがCPUソケットとトップパネルの間にできた空きスペースだ。
多くのPCケースは、この空きスペースを利用して、120mm口径以上の冷却ファンを装備させ、CPUやマザーボードの電源周りから出る熱を、素早く排出することができるようになった。また、電源ユニット自体もボトム吸気により直接外気を取り入れるため、自動制御の冷却ファンがむやみに高回転状態になりにくく、製品寿命の延長にも良い影響を与えてくれるだろう。まさにいいこと尽くめだ。
さて、今回取り上げるENERMAX「Fulmo ST」シリーズも例にもれず、電源ユニットをボトムレイアウトにすることで、トップパネル部には120mmまたは140mm口径ファンが2基搭載できる。別途汎用ファンを用意し、排熱を強化する一般的な使い方でいいワケだが、搭載スペースを確認すると、トップパネル部が1段嵩上げされている事が分かる。つまりこのモデルの設計コンセプトは、選択肢が増えつつある240mm(または280mm)サイズの水冷ラジエターをマウントする事が想定されている事がわかる。
「Fulmo ST」シリーズの嵩上げされたトップパネル(内部)。多くのPCケースでトップパネルに2基の冷却ファンが搭載できるが、マザーボードとのスペースが不十分であるために、ラジエターがマウントできない。「Fulmo ST」は単に冷却ファンスペースを確保しているのではなく、拡張性をも考慮されている |
売価1万円前半の「Fulmo ST」には、たくさんの特徴が詰め込まれている。そのひとつひとつをじっくり紹介していこう |