エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.216
2013.03.19 更新
文:GDM編集部 池西 樹
続いてオーバークロックによって、どの程度消費電力が増加するのかチェックしておくことにしよう。アイドル時は10分間放置した中で最も低い値、高負荷時は「CINEBENCH R11.5」動作中で最も高い値とした。
CPUのオーバークロックによる消費電力の違い |
まず注目したいのが定格動作時のアイドル消費電力の低さだ。今回の検証では、Core i7-3930kとNVIDIA GeForce GTX 660Tiという、かなりハイスペックな組み合わせにも関わらず66.8Wという数値は非常に優秀。テキスト入力やインターネットなどのライトな処理からゲームや動画エンコードのようなヘビーな作業まで1台で賄うユーザーには「X79A-GD45 Plus」はまさにうってつけの製品だ。
また、オーバークロック時の結果を見ると「OC Genie」では、アイドル時でもコア電圧が下がらず、消費電力が飛び抜けて高いのが気になるところ。パフォーマンス上昇も限定的なため、あまりおすすめできないというのが正直な感想だ。また、手動設定では、アイドル時にCPU電圧が0.8V付近までさがるため、定格からほとんど変化がなかった。
次に高負荷時を確認すると、コア電圧を変更しない4.50GHzではわずか12W増に留まっており電力効率の高さが光る結果。一方、4.90GHzではコア電圧を1.420Vまで上げていることが災いして、111Wと大幅に消費電力が増加している。とはいえ、3割近いパフォーマンスアップは魅力的なことから、処理や作業によって使い分けてもいいだろう。
ハイエンドのような派手さこそないが、過不足なく搭載された機能。そして、高品質コンポーネントや厳選されたチップ選択により、Intel X79 Expressマザーボードではトップクラスの低消費電力を実現した「X79A-GD45 Plus」。“消費電力は気になるが、パフォーマンスも妥協したくない”という、欲張りなニーズにマッチするバランス感覚はもはや見事というしかない。
NVIDIA GeForce GTX 660Tiとの組み合わせでも、アイドル時60W台を実現できる「X79A-GD45 Plus」 |
またCore i7-3930Kを使ったオーバークロックでは、OSの起動なら5.00GHz、常用レベルでも4.90GHzをクリアするなど、耐性の高さもしっかりと確認することができた。正直アタリCPUと冷却を強化すれば5.00GHzの常用環境も十分構築することができるだろう。これ1枚で、ワットパフォーマンス重視から性能重視のハイエンドPCまで一手に担うことができるマザーボードに仕上げられている。なお、4月上旬には国内発売も開始されるということなので、今から登場を楽しみに待つことにしよう。