エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.218
2013.03.24 更新
文:GDM編集部 池西 樹
続いてオーバークロックの効果を確認するため「CINEBENCH R11.5」のスコアを測定してみることにした。
CINEBENCH R11.5によるベンチマーク結果 |
シングルコアのテストでは、TurboCore機能により定格でも4.20GHz動作でほぼ固定されるため、4.60GHzで約9%、5.00GHz動作でも約19%とクロック向上率より若干パフォーマンスが低い。一方、マルチコアでは、4.00GHz~4.20GHzの間を絶えずクロックが変動するため、4.60GHzで約15%、5.00GHzで約25%とクロックに準じたパフォーマンス向上が見て取れる。実際のテストにかかる時間も目に見えて高速化されており、マルチスレッド対応の重量級アプリケーションでは、オーバークロックの恩恵は大きいだろう。
次にオーバークロックによって、消費電力がどの程度増加したのか確認しておこう。アイドル時は10分間放置した中で最も低い値、高負荷時は「CINEBENCH R11.5」実行中で、最も高い値とした。
CPUのオーバークロックによる消費電力の違い |
アイドル時は、コアクロック、コア電圧とも定格と同じレベルまで下がるため、オーバークロックした場合でも大きな違いは出ていない。また、かなりハイエンド構成にも関わらず、消費電力は65W以下に収まっており、ライトな処理が中心のユーザーには嬉しい仕様と言えるだろう。一方、高負荷時はコア電圧を変更していない4.60GHzで47.9W増、コア電圧を+0.150Vまで上げている5.00GHzでは154W増とかなり強烈だ。これにグラフィックスカードの負荷を考えると500Wクラスでは少々心許なく、700Wクラスは用意しておいたほうがいいだろう。
今回は「Dual UEFI」と「Ultra Durable 4」ヘ対応した、AMD 990FX+SB950マザーボード「GA-990FXA-UD5 Rev.3.0」について検証してきた。GIGABYTEの「Dual UEFI」は、BIOSと遜色ないレベルまで成熟しており、オーバークロック設定も含めBIOSで慣れ親しんだユーザーにもすんなりと受け入れられるだろう。さらに、XMPへの対応は、高クロックメモリを使う上では必須とも言える機能で、AMDプラットフォームでも十分実用的だ。
さらに、8+2フェーズの充実した電源回路による、オーバークロック耐性の高さも見逃せない。特に「AMD FX」シリーズではTDPが125Wと高く、電力インパクトが大きいこともあり、電源周りはかなり重要となる。機能面では大きな変更が無いため、買い換え向けとしてはやや訴求力に欠けるが、これから「Vishera」で1台組みたいと考えているなら、最適な一枚となるだろう。