エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.221
2013.03.30 更新
文:GDM編集部 絵踏 一
3DMark「Fire Strike」Extremeプリセットによる各電圧の変化 |
3DMark「Fire Strike」Extremeプリセットによる各電圧の最大/最小/平均値 |
次は定番の3Dベンチマークソフト「3DMark」を使用し、ゲームプレイ時の処理を想定した負荷テストを行う。設定は最も負荷の高くなる「Fire Strike」の“Extreme”プリセットを使用した。なお、ベンチマークテスト中の消費電力は209Wほどだった。
最大/平均値における変動幅を確認すると、+12Vが0.016V、+5Vが0.009V、+3Vが0.023Vとやや拡大したものの、もはや誤差といえる範囲に留まっている。平均値が最大値に極めて接近している点も同様で、ゲームプレイ中でも常に安定した出力が可能なようだ。
Unigine Heaven DX11 Benchmark 4.0による各電圧の変化 |
Unigine Heaven DX11 Benchmark 4.0による各電圧の最大/最小/平均値 |
最後はテッセレーションを駆使したDirectX 11対応のベンチマークソフトの最新版「Unigine Heaven DX11 Benchmark 4.0」をチョイス。グラフィックスカードへ集中的に負荷をかけた際の挙動をチェックする。なお、品質設定は「Quality」を“Ultra”、「Tessellation」を“Extreme”、「Anti-aliasing」を“8×”、画面解像度を1,920×1,080ドットにセットし、できるだけ高い負荷がかかるように調整した。ワットチェッカーを確認したところ、ベンチマーク中の消費電力は187W。
+12Vで0.02V、+5Vで0.014Vと上記の2テストからやや変動幅が拡大したものの、やはりその差はわずか。特に+12Vと+5Vにおいては最大/最小値はすべてのテストにおいて一定で、+3Vを含め定格を下回るシーンはまったくなかった。ブレることなく安定動作を果たす、電源ユニットとしての使命を黙々と果たしている。
メーカー各社が競うように80PLUS PLATINUM認証電源ユニットをリリースする現状では、今や最上位クラスとして投入されるエース級の製品としてPLATINUM認証のバッジは珍しくない。ミドルクラスの容量から選択できるなどラインナップも拡大し、まさに電源ユニットの世界は“PLATINUM戦国時代”の様相を呈している。価格設定は依然高価ではあるものの、十分手の届く領域まで下りてきた。メインマシンの心臓に一体どれを選ぶのか、いざPLATINUM認証製品を並べても決めるのはなかなかに難しそうだ。
安定した高出力を維持する、80PLUS PLATINUM認証電源のエースモデル。高品質もさることながら、長く使える革新ソケットやステキな連結機能も見逃せない |
その点「HCP-1000 PLATINUM」は長期保証が約束する長寿命のみならず、将来のマザーボードへの対応が担保されるなど、装備面で一歩先を行く。電源ユニットを付属のケーブルで連結、手軽にモンスターユニットを作り出せるという拡張性もきわめてユニークだ。信頼のおける電源を長く使いたいというユーザーと、とにかくハイエンドなシステムを組み上げたいエンスージアスト、その両者にとって魅力的な選択肢になり得る。
もちろん高負荷環境でも安定して高出力を維持できる、電源ユニットとしての基本性能も折り紙つき。冷却ファンも動作中は常に静粛で、ケース内の騒音源になることはまず考えられず、トータルのパッケージングは優秀だ。新たな訴求ポイントも押さえつつ、実態は質実剛健。店頭にやってくるのはもうすぐだ。