エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.223
2013.04.05 更新
文:GDM編集部 池西 樹
続いて「ATTO Disk Benchmark 2.47」を使って、シーケンシャルアクセスの最大性能を確認しておこう。
「旧PX-128M5S」のATTO Disk Benchmark 2.47スコア |
「新PX-128M5S」のATTO Disk Benchmark 2.47スコア |
旧モデルは読込542MB/sec、書込211MB/sec、新モデルでは読込551MB/sec、書込218MB/secと、いずれも新モデルのほうが若干上回るスコアを計測。また、グラフ形状を確認するといずれも綺麗な階段状にスコアが増加しており、安定性にも特に問題はない。
ここまでの検証結果を見る限り、仕様変更によるパフォーマンス低下についてはまったく心配する必要はない。しかし、コントローラとNANDフラッシュという大きな変更によって、新・旧モデルが混在した状態でのRAID構成の安定性は気になるところ。そこで、最後にIntel Z77 ExpressのオンボードRAID機能を使ってRAID 0ドライブを構築し、パフォーマンスを簡単に確認してみることにした。
「ラピッド・ストレージ・テクノロジー」でRAID 0ドライブを構築。SSDの認識・設定では特に問題は発生しなかった |
RAID 0ドライブのAS SSD Benchmark 1.6.4237.30508スコア |
RAID 0ドライブのCrystalDiskMark 3.0.2eスコア |
RAID 0ドライブのATTO Disk Benchmark 2.47スコア |
今回はWindows 7の「ラピッド・ストレージ・テクノロジー」上で、RAID 0ドライブを構築しているが、SSDの認識・設定とも特に問題はなく完了した。また、ベンチマークの結果を確認すると、読込は約1.7倍、書込では約2倍と大きくスコアを伸ばしており、異なる仕様の「PX-128M5S」を組み合わせた場合でも、十分にRAID 0ドライブの恩恵を受けることができる。
今回のレビューでは、Marvell「88SS9187」と東芝製NANDフラッシュの組み合わせに変更されたPLEXTOR「M5S」シリーズについて検証してきた。PLEXTORブランドでは使い慣れた構成でファームウェアの熟成が進んでいるためか、パフォーマンス面では旧モデルから若干の向上を確認。また、安定性や既存モデルとのRAID 0構成についても問題は見当たらなかった。正直、アナウンスが少々後手に回ったことで、混乱を生じた面はマイナス材料だが、今回の仕様変更はユーザーにとって歓迎すべき改善と言っていいだろう。
最近の円安傾向によりSSDの価格も例外なく上昇しているが、「M5S」シリーズはコストパフォーマンスに優れるバリューモデルの定番として、有望な選択肢となるだろう。