エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.226
2013.04.16 更新
文:GDM編集部 池西 樹
3種類のベンチマークによるパフォーマンスチェックが終了したところで、安定性を確認するため「OCCT 4.4.0」によるストレステストを実施した。プリセットには最も負荷の掛かる「POWER SUPPLY」を選択し、テスト時間は30分間、室温21.7℃の条件で行なっている。
Core i7-3770Kの「OCCT 4.4.0」の結果。今回はリファレンスクーラーを使用して計測しているが最大79℃までコア温度は上昇した |
Celeron G1610の「OCCT 4.4.0」の結果。高負荷時でもコア温度は40℃前半で収まり、発熱が非常に少ないことがわかる |
Celeron G530の「OCCT 4.4.0」の結果。Celeron G1610よりやや高くコア温度は最高47.5℃まで上昇した。とは言え冷却性能に問題はなく、こちらも発熱面では非常に優秀 |
Core i7-3770K、Celeron G1610、Celeron G530すべてのCPUで30分間の負荷テストをクリアした。今回はすべてリファレンスクーラーを採用し、Cube型筐体というハードな環境でテストを行なっているため、実際の運用において問題になることはないだろう。エントリー向けとは言え、フラグシップのCore i7-3770Kも安定動作できる点は大きな評価ポイントと言える。
最後に各CPUを搭載した場合の消費電力の違いをチェックしていこう。アイドル時は10分間放置したなかで最も低い値、高負荷時は「OCCT 4.4.0:POWER SUPPLY」実行時で最も高い値とした。
消費電力(W) |
消費電力については、TDP55WのCeleron G1610がアイドル時、高負荷時とも最も低く優秀な結果。TDP65WのCeleron G530との比較でもアイドル時5.0W、高負荷時は14.4Wも少なく、省電力向けCPUとしても十分運用に耐えられるレベルに収まっている。「H61M-VG3」のメインターゲットであるコンパクトケースで使用するなら、Celeron G1610がベストチョイスとなりそうだ。
“セミMini-ITX”サイズとも言える191×170mmの小型基板を採用する「H61M-VG3」。もともと価格重視のローエンド向け製品のため、SATA3.0(6Gbps)やUSB3.0への非対応など拡張面の弱さは確かにある。しかし、Mini-ITXマザーボードでは破格とも言える税込4,480円の売価を考慮すれば、指摘するだけ野暮というもの。さらに拡張スロットが2本使えるため、どうしても必要なインターフェイスがあるなら、拡張カードで増設できるのも強みとなる。
また今年1月に登場したIvy Bridgeの廉価モデルも「H61M-VG3」にとっては追い風になる存在だ。Sandy Bridgeコアからパフォーマンス、省電力性とも大幅に向上しており、ライトな処理が中心ならメインマシンにも十分な性能を発揮する。最廉価モデルCeleron G1610なら、マザーボードと合わせて購入しても10,000円でお釣りがくる計算で、コンパクトかつ価格も抑えたいという向きには最適なチョイスとなるだろう。