エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.232
2013.05.11 更新
文:GDM編集部 松枝 清顕
次は実際に構成パーツを組み込みながら、内部構造をさらに細かくみていこう。MicroATX対応モデルだけに、ミドルタワーのような内部容積は期待できない。特に各パーツの搭載スペースはそれに比べてタイトになっているはずだ。
ボトムレイアウトの電源ユニットスペースに、フルモジュラータイプのCORSAIR「CMPSU-850AXJP」(850W/80PLUS GOLD)をマウントしてみた。筐体内部容積が比較的小さいPCケースには、必要数だけ接続すればいいモジュラータイプの電源ユニットは都合がいい。
「CMPSU-850AXJP」の奥行きは160mmだが、空きスペースは実測約110mmだった。ボトムスペースには3.5インチシャドウベイがあるものの、足かせになることはない。MicroATX対応ケースながら、ATXミドルタワー並のクリアランスが確保できている。
3.5インチシャドウベイ以外、余分なものが無い電源ユニット搭載スペース。1KW超のハイエンドPSUにも十分対応できる空間が確保されている |
CPUクーラー有効スペース(高さ)は公称160mm。必要以上に巨大なサイドフロー型さえチョイスしなければ、市場に流通する多くのCPUクーラーがマウントできる。一方でトップフロー型を選択した場合だが、冷却ファンの吸気スペースを確保する必要があるため、全高140mm程度が妥当。それ以上背が高くなってしまうと、十分に吸気ができないため、冷却能力が落ちる可能性がある。
CPUソケットと正対するサイドパネル部には邪魔な突起物等がないため、有効スペースの160mmサイズぎりぎりまでCPUクーラーがマウントできる。ただしサイドパネルに通気口(吸気口)がないため、トップフロー型をチョイスした場合は、吸気スペースを確保しよう |
拡張カード有効スペースは、公称最大380mmとされている。MicroATXのPCケースとは思えない、広大なスペースは、グラフィックスカード搭載スロットの延長線上にシャドウベイを設置せず、PCケース幅を最大限に確保した結果。ただし実際に計測したところ、拡張スロット固定部の段差分とフロント吸気ファンの寸法を考慮すると、約370mmだった。
今回は全長270mmのグラフィックスカードを搭載させてみたが、空きスペースは実測約100mm程度。ATXフォームファクタと互角のハイエンドマザーボードも存在することから、アッパークラスのグラフィックスカードでMicroATX PC構築を目論む人は少なくないだろう。ストレージ搭載スペースに置き換えられた、約370mm(実測値)の空間は、有難く使わせて頂こう。
通常なら上下ぶち抜きでシャドウベイにしたいところ、敢えて拡張カード用にスペースを提供。これでもかと複数のストレージをマウントさせたい派からの声は気になるものの、そこはCORSAIRの英断。これが市場にどう受け入れられるか |