エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.239
2013.06.02 更新
文:GDM編集部 池西 樹
最後に「PCMark 7 Version 1.4.0」を使い、PCの総合的な性能をチェックしていこう。
PCMark 7 Version 1.4.0 |
Core i7-3770KとCore i7-4770Kのスコア差は約15%で、「3DMark Version 1.1.0」の「Physics Score」とほぼ同等。ここまでのベンチマーク結果をみる限り、HaswellのパフォーマンスゲインはCPUコアが10~15%、GPUコアが50%程度と考えておけばいいだろう。
Haswellでは、Ivy Bridgeより若干TDPが上昇し、今回検証したCore i7-4770では、Core i7-3770Kより7W高い84Wに設定されている。そこで、最後に実際の消費電力にどの程度違いがあるのかチェックしておこう。マザーボードの搭載機能やMOSFET、さらに電源制御方法にも違いがあるため、結果イコールCPUの消費電力差ではないが、おおよその傾向をつかむことはできるはずだ。なおアイドル時は10分間放置した中で最も低い値、高負荷時は「CPU:OCCT」を30分実行中最も高い値とした。
消費電力(W) |
アイドル時はCore i7-3770Kが55.5W、Core i7-4770が52.0Wで若干だがCore i7-4770の方が低い数値。これはCore i7-3770Kの最低クロックが1,600MHzなのに対して、Core i7-4770では更に低い800MHzまで低下することが大きく影響していると考えられる。一方、高負荷時は数値が逆転し、Core i7-4770が20W以上高い結果に落ち着いている。マザーボードの違いで20Wの差がつくとは考えにくく、TDP通りHaswellでは負荷時の消費電力は増加しているようだ。
今回はMSI「OVER CLOCKING Series」のミドルレンジモデル、「Z87 MPOWER MAX」にスポットを当てて検証を行なってきた。ミドルレンジとはいえ、あらかじめ極冷オーバークロックを視野にデザインされ、CPU周りには最大800Wの大出力電源回路と大型のヒートシンクを搭載。また「ミリタリークラス4」や「OC Certified」に裏打ちされた高品質な作りは、標準的なハイエンドモデルを凌駕する出来栄えだ。実際、高負荷検証でも不安定な挙動を示すことはなく、初物チップセットながら、しっかりと作りこみが行われている印象を受けた。さらに「GAMING Series」と同じギガビットLANチップ「Killer E2205」の採用や高音質設計のサウンド周りなど、ゲーマー向け機能も充実。オーバークロック仕様のゲーミングPCという、欲張りなニーズにもしっかりと応えてくれる魅力ある製品に仕上がっている。