エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.240
2013.06.12 更新
文:GDM編集部 池西 樹
前述の通り「GA-Z87X-UD4H」では、電源回路のICチップに「PowIRstage」を搭載する。これは、以前検証を行った「IR3550 PowIRstage」と同じ、3つの機能を統合したICチップだが、出力は60Aから40Aへと低下している。そこで、発熱に変化があるかをチェックするべく、3種類の異なるCPUクーラーを使って検証を行うことにした。検証用のCPUはIntel Core i7-4770(ES品)で、CPUクーラーは【トップフロー代表】にIntel純正CPUクーラー、【サイドフロー代表】にサイズ「峰2」(型番:SCMN-2000)、【水冷ユニット代表】にCORSAIR「CWCH60」の3種類を用意。温度の測定は接触型温度計を直接チップに貼付け、「OCCT 4.4.0」の「CPU:OCCT」テストを1時間実行して温度を確認した。なおテスト機材構成は以下の通り。
室内温度:26.4℃(単位℃) |
結果は一目瞭然。エアフローが悪い「CWCH60」でも、最高40.2℃までしか上がらず、「PowIRstage」の発熱は、「IR3550 PowIRstage」と同じく非常に低い。CPUの関係もあり、今回は定格クロックでの検証となったが、オーバークロック時でもヒートシンクのみで、十分冷却は間に合うはずだ。「GA-Z87X-UD4H」では、16フェーズと電源回路にも余裕があるため、オーバークロック耐性についても非常に期待が持てる。
高品質・高耐久化が進むマザーボード。特にミドルレンジからハイエンドにかけては、この傾向が顕著で、ハードウェアの違いだけで、他社との差別化を図るのは難しくなっている。そんな中、さらなる付加価値を求め、ソフトウェア面を強化していくのは、当然の流れと言えるだろう。それを踏まえて、改めて「GA-Z87X-UD4H」を眺めてみると、“よくできている”というのが素直な感想だ。
特に、ユーザーインターフェイスを自由に変更できる「UEFI DualBIOS」は、斬新かつ秀逸なアイデア。PCのチューニングを愉しむユーザーの中には、この機能のためにマザーボードの交換を検討する人も出てくるだろう。また統合ユーティリティ「App Center」も使いやすく、これまでメーカー製ユーティリティを使わなかった層でも納得の出来栄えだ。当然GIGABYTEらしい、安定性や品質を重視した手堅い作りも健在で、定格運用のスタンダードPCから、ゲーミングやオーバークロック向けといったピーキーな使い方まで、幅広くサポートする、懐の深い製品に仕上げられている。