実際に組み込んで分かったこと

ここまで期待の新型「RAVEN 4」、その特徴を事細かにチェックしてきた。バージョンアップを重ねてきたシリーズだけあって、「RAVEN」シリーズらしさが感じられるものの、マザーボードレイアウトを大胆に変更するなど、”らしからぬ部分”もある。外観スタイルも大きく変更してきただけに、その評価は分かれるところだろう。
　そこで最後に構成パーツを実際に組み込み、詳細をチェックしていこう。いくら設計やコンセプトがよくても、構成パーツを組み込んでみなければ分からない事がある。「RAVEN 4」は果たして”良いPCケース”なのか。

この画像から、無駄のない内部設計であることがよくわかる。「RAVEN」イコール大型PCケースという概念を、少々改めなければならない

光学ドライブと分け合う電源ユニット搭載スペース

トップマウントの電源ユニット搭載スペースは、延長線上に光学ドライブ（5.25インチオープンベイ）が位置するため、両者がここを分け合う事になる。搭載テストに用意した、SilverStone「SST-ST60F-PS」は、フルモジュラータイプのショートモデル。奥行き140mmだけに、光学ドライブ間のスペースも十分で、コネクタもストレスなくレイアウトできるだろう。なお、マニュアルには詳細な寸法が明記されており、フロントパネル（ベゼル部）からリア末端までは439mm。電源ユニットの推奨サイズは、奥行き220mmとしている。

	「RAVEN 4」マニュアルに記載されている、電源ユニットと光学ドライブ（5.25インチオープンベイ）の有効スペース
搭載テストには、SilverStone「SST-ST60F-PS」（奥行き140mm）を使用した。推奨奥行き220mmまではまだ80mmも余裕がある

「CPUクーラーサポーター」と搭載有効スペース

「RAVEN 4」にはSilverStoneならではのギミックが2つ用意されている。そのひとつ目は「CPUクーラーサポーター」だ。
　以前検証を行った「TEMJIN SST-TJ08B-E」で初採用されたこの装備は、重量のある大型サイドフロー型CPUクーラーを、底面から延びるアームで物理的に支えてくれるというもの。支えとなる台座部分はアームと共に可動式で、適正位置にネジ留めすることで、マザーボードへの負担を軽減。CPUとの密着もより確実なものにしてくれる。

単純ながら見た目にも頼もしい「CPUクーラーサポーター」。可動範囲内は無段階調整ができる

マザーボード末端から13mmの範囲から使用可能。なおCPUクーラーの有効スペースは高さ165mm、長さは223mmとされている

拡張カードを支える「VGAサポートホルダー」

お次はグラフィックスカードを支える「VGAサポートホルダー」について解説しよう。マニュアルには「グラフィックスカードサポーター」と記載されているこの装備は、拡張スロットへの負担軽減と接触不良を抑止するグラフィックスカード用の装備品。他製品でも稀に見かけるギミックだが、「RAVEN 4」にはグラフィックスカード基板を直接支える「VGA SUPPORT CLAW」と呼ばれるパーツが3つ付属される。つまり、3-Wayマルチグラフィックス構成にも対応しているというワケだ。

	支柱となるアームは左右に可動。基板を支える部分には8カ所の穴が用意され、任意箇所にハンドスクリューで固定できる。特にマルチグラフィックス構成にした場合等、マザーボードへの負担も軽減され、見た目も安心感は抜群だ