エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.241
2013.06.15 更新
文:GDM編集部
拡張カード搭載スペースは公称値約338mm。前作「RAVEN 3」の公称値は345mmで、若干スペースが短くなっているものの、「RAVEN 3」より奥行きで-73mmショート化されていることを思えば、文句はない。ちなみに「RAVEN 3」はグラフィックスカード縦レイアウトだが、「RAVEN 4」は横レイアウトに変更。内部スペースの最適化が図られている事が読み取れる。
公称値約338mmの拡張カード搭載スペース。少々余裕を持って搭載させるならば、320mm程度のグラフィックスカードがちょうどいいかもしれない |
組み込み作業を行ったところで、サイドパネルとマザーボードトレイ間の空きスペースを計測しておこう。言わずもがな、ここはケーブルマネジメントの裏配線には重要な空間。最も太いATXメイン24pinケーブルが納まるか否かがポイントになってくる。そこで実際に計測してみたところ、約20mmだった。これだけのスペースがあれば、タイラップ等の結束グッズを使い、余ったケーブル類を無理なく背面にレイアウトすることができるだろう。
サイドパネルとマザーボードトレイ間の空きスペースは実測役20mm。多くのPCケースで採用される”暗黙の基準値”を満たしている |
どのメーカーも水冷需要を念頭に、PCケースの設計が行われている。「RAVEN 4」も例外ではなく、CPUソケット直近に120mm口径ファン搭載スペースがあるため、オールインワン水冷キットは容易にマウントすることができる。
なお標準装備となるフロント180mm口径ファンは、120mm口径ファン×3基に換装できる。となれば、240mmサイズ超えラジエターのマウントを想定してしまうところだが、フロントドアとのスペースがギリギリで、吸気スペースの確保もできない。トップ面は光学ドライブと電源ユニット搭載スペースであることから、水冷ユニットの導入はリア120mmのみという結論になる。
「RAVEN」新モデルの噂が出る度、自作PCユーザーの多くは、「SilverStoneにしてやられた」と言わしめるに足るだけの独創的・革新的な設計、そして経験豊富なユーザーをも唸らせるSilverStoneならではのギミックの数々を期待してきたであろう。しかし「RAVEN 4」は、既に確立されているSilverStone的メソッドを組み合わせた、高い積載能力を意識させないコンパクトなゲーミングPCケースに仕上がっていた。
「RAVEN 4」は、純粋にPCケースとしての造りの良さを求めるユーザー、BTOなどの完成品PCを購入するユーザーに対して、省スペース性・デザイン・冷却能力・ 積載能力・拡張性がハイレベルでまとまったゲーミングPCケースとしてオススメできる。一方、「RAVEN」ならではの独創性・新規性、斬新 さを求めるコアユーザーにとって、「RAVEN 4」に物足りなさを感じるのもまた事実である。
まだしばらく先の話になるだろうが、次の「RAVEN」ではどのような展開を見せてくれるだろうか、楽しみである。