エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.242
2013.06.16 更新
文:GDM編集部 絵踏 一
続いては「PCMark 7 Version 1.4.0」を使用し、PCの総合的なパフォーマンスを計測してみよう。
PCMark 7 Version 1.4.0 |
総合パフォーマンスにおける差は約7%といったところ。この差をどう見るかはユーザー次第なものの、手間をかけずにこれだけのスペック向上がみられるなら儲けもの。消費電力や発熱次第ではさらに上を狙ってみるのも悪くはなさそうだ。
最後は実際のゲームベンチより、8月の発売が予定されている「ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア ベンチマーク ワールド編」をチョイス。ゲームシーンにおける両者のパフォーマンスを見比べてみよう。なお、品質設定はプリセットより「標準品質」と「高品質」を選択している。
ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア ベンチマーク ワールド編 |
こちらは標準・高品質ともに6%の差がついた。ただしここで注目したいのは、軽めのOCを施すことにより標準品質設定における快適指標が“快適”から“やや快適”にアップしたこと。もしゲーム中の挙動にある程度不満があるなら試してみるのも一興だ。幸い「OC Tweaker」における設定変更はシンプルで分かりやすいため、初心者でも気負わずチャレンジできるだろう。
各種テストにおいては一定以上のスコア向上を果たしていたものの、消費電力の違いは気になるところ。お手軽OCとはいえ電力面でどのような影響が出るのか、確認してみよう。なお、テストにあたっては「3DMark」実行中に最も高い数値を高負荷時、何もせず10分間放置した際の最も低い数値をアイドル時として、ワットチェッカーを使用して計測を行った。
消費電力 |
結果はアイドル時に約10W、高負荷時に約30Wとそれなりの差がついた。ただし検証機材はほとんど最小構成のため、グラフィックスカードなど消費電力の大きいパーツを組み込んだ構成ではそれほど気にならなくなるだろう。どこ程度クロックを調節するのかは、自身の環境と許容範囲次第と言えそうだ。
ユーザー層が厚く売れ筋なメインストリーム向けモデルは、メーカー各社がハイエンドに負けずに注力する最重要の戦場だ。居並ぶ製品群はどれもクオリティ、耐久性ともに一定水準以上をクリアするものばかり。その中から頭ひとつ抜け出すには、やはりパフォーマンス以外にも際立ったトピックが欲しいところだ。
そこでASRockがメインストリームの「Z87 Extreme4」に取り込んだのが、「A-STYLE」という新しいコンセプト。パフォーマンス主義からユーザビリティへと軸足を移したシリーズで、「Home Cloud」や「HDMI-In」、こだわりのサウンド機能「Purity Sound」など、優れた周辺機能の数々はPCライフをワンランクリッチなものにアップグレードしてくれるに違いない。
高品質で高耐久が当たり前なら、周辺機能の充実ぶりで勝負する。ASRock「Z87 Extreme4」は、より快適なPCにライフをサポートする偉大なスタンダードモデルだ |
もちろんグラフィックスやストレージをはじめ将来への拡張性はしっかりと担保され、オーバークロックなどパフォーマンス面での遊びを許容するだけの強さも兼備。どれも程よく楽しみたい、というミドルレンジユーザーにとって、かなりバランスのとれたマザーボードと言えるだろう。さらに上をいくパフォーマンスよりも使い勝手こそが至上。スタンダードな使い方にフォーカスするなら、こうした答えに着地するのも悪くなさそうだ。