エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.244
2013.06.21 更新
文:GDM編集部 池西 樹
MSIのチューニングユーティリティ「Command Center」には、CPU倍率、ベースクロック、各種電圧といったオーバークロック設定に加えて、メモリの一部をRAMディスクとして使用する「RAMDisk」機能が搭載されている。
SSDやHDDなど標準的なストレージに比べて、はるかに高速なアクセスが可能なため、ブラウザのキャッシュや各種ソフトウェアのテンポラリとして設定しておけば、アプリケーションの高速化が可能。またデータバックアップ機能も実装されているため、ゲームをインストールしておけば、ロード時間を大幅に短縮することができる。
「Command Center」の「RAMDisk」機能。オプションでキャッシュや仮想メモリへの割り当てなども設定できる | |
最新SSDと比較してもそのパフォーマンスは圧倒的。大容量メモリを実装しているなら、ぜひRAMディスクの運用を検討してほしい |
MSI 8シリーズでは、簡易オーバークロック機能「OC Genie」も「OC Genie II」から「OC Genie 4」へとバージョンアップ。基板上のスイッチで、「OC Genie Mode」と「Gaming Mode」の2段階に動作クロックを切り替えられるようになった。そこで、今回は新機能「OC Genie 4」を使ったオーバークロックを試してみることにした。
「OC Genie Mode」時は、4.00GHzまで動作クロックが上昇 | 「Gaming Mode」時は、さらにクロックが上がり4.20GHzで動作する |
Core i7-4770Kでは、「OC Genie Mode」で4.00GHz、「Gaming Mode」では4.20GHzへとクロックが向上した。かなり過激なプリセットを用意するマザーボードも多い中で、上昇幅はやや小幅だが、MSIでは安定性を損なわない範囲でのチューニングを心がけているとのこと。特に安定動作が必須のゲーミングPCでは、ピーキーなチューニングより好まれるだろう。
「OC Genie 4」のオーバークロック動作を確認したところで、ここからは各種ベンチマークを使い、その効果をチェックしていくことにしよう。
まずはCPUコアの性能を確認するため「CINEBENCH R11.5」によるレンダリング性能を測定した。
CINEBENCH R11.5の結果(pts) |
「OC Genie Mode」では、シングルコアで約2%、マルチコアで約4%、「Gaming Mode」では、シングルコア、マルチコアとも約8%スコアが向上した。基板上のボタンを押すだけで行える簡易オーバークロックとしては十分な結果で、CPUパフォーマンスがもうひと伸び欲しい場合には、積極的に利用するといいだろう。
続いてグラフィックス性能への影響を確認するため、最新3Dベンチマークソフト「3DMark Version 1.1.0」によるテストを実施した。なお今回はハイエンドグラフィックスカードを搭載しているため、プリセットには「Fire Strike:Extreme」を選択している。
3DMark Version 1.0.0 Fire Strike:Extreme |
CPU性能が重要な「Physics Score」は、「OC Genie Mode」で約5%、「Gaming Mode」で約10%と、クロックに準じて順調にスコアを伸ばしている。一方、GPU性能が重要な「Graphics Score」への影響はほとんどなく、総合スコアも微増に留まった。