エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.246
2013.07.03 更新
文:GDM編集部 松枝 清顕
エントリークラスながら、ミドルレンジクラスと互角に渡り合えるだけの素質十分な「G7」。しかし眺めているだけでは、本当の使い勝手や組み込み易さは分からない。そこで実施にPCを1台組み上げ、構成パーツの装着感や有効スペース等をポイント毎にチェックしてみよう。
実際に組み込み作業を行ってみると、やはり一般的なミドルタワーPCケースよりも若干コンパクトな印象。だからといって、組み込みにくさはなく、開口部も広いためスイスイと作業を進める事ができた |
ボトムレイアウトの電源ユニット搭載スペースはフラットタイプ。2.5/3.5インチシャドウベイまでの距離を有効に活用することができる。ただしボトム部に120mm口径ファンを増設するならば注意が必要。最大有効スペースは実測約280mm強だった。
このクラスなら十分な搭載スペース。かなりのロングタイプ電源ユニットでもマウントできるだろう。なおサンプルで搭載させた電源ユニットは奥行160mm。120mm口径ファンをボトム部に搭載するならば、これが限界 |
マザーボードのオンボード機能が充実しているため、増設する拡張カードといえば、9割方グラフィックスカードになるだろう。また最近のグラフィックスカードは、以前のように乱暴に大柄なモデルも少なく、コンパクトで高性能な製品が多い。そんなグラフィックスカードの指定席となる中央部分のスペースを計測してたところ、実測約400mmと十分だった。それもそのはずで、グラフィックスカードのスロットラインにシャドウベイ等はなく、フロントパネル部まですべてのスペースが占有できる。その分、ストレージ格納能力は犠牲になっているものの、通常の使い方を想定するならば、これで十分なはずだ。
2.5/3.5インチシャドウベイ上部をフリーにすることで、約400mmもの拡張カードスペースを確保。多くのハイエンドグラフィックスカードがチョイスできるだろう |
「G7」最大の弱点を挙げるならば、CPUクーラー搭載スペース(高さ)だ。再三指摘するように、比較的スリムタイプなだけに、大型化するサイドフロー型CPUクーラーのチョイスには気を付けなければならない。テスト用にマウントしたのは、Noctua「NH-U12S」で、高さは158mm。搭載される120mm口径ファンはワイヤークリップで固定されているため、ヒートシンク2段分ほど受熱ベース方向に下げることで、サイドパネルとの物理的干渉を逃れることができた。高さ160mmクラスの大型モデルも存在する近頃のCPUクーラー。ここは無理をせず、高さ150mm程度のモデルまたはオールインワン水冷キットをチョイスした方が無難かもしれない。
ケース幅に大きく影響される、CPUクーラー有効スペース(高さ)。ちなみにサイドパネル上段に冷却ファンを増設するならば、エアフロー効率も考慮し、トップフロー型CPUクーラーをチョイスしたい |
今回の搭載テストでは、ごく一般的な最低限の構成パーツで組み込みを行っている。ストレージ搭載能力限界まで詰め込んだ場合はもうひと工夫必要かもしれないが、ほぼひとつのライン上にケーブルを集めて結束することができた。
ただし、やや気になったのは冷却ファンの電源ケーブル類。例の「TURBO」ボタンがあるおかげで、冷却ファンのケーブルは前方に集約される。さらにコネクタが4pinペリフェラルタイプであり、中継コネクタ等もあることから、若干行き場に戸惑うかもしれない。
必要最低限の構成パーツでも、これだけのケーブル類がPCケース内部に存在するワケだ |
「G7」のシャドウベイは上下に分かれ、中央部にスペースがある。裏配線といえば、ケーブル類をマザーボードトレイ背面にすべて押し込めたくなってしまうが、あらゆる空間を利用し、ケーブルの取り回しを考えながらコツコツ作業を進めるだけで、綺麗に整理整頓ができる。アクリル窓仕様ではないため、完成後に内部を覗き込むことはできないが、あれこれ試しながら、ベストな裏配線を見つけてみよう。