エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.246
2013.07.03 更新
文:GDM編集部 松枝 清顕
最後に動作音を計測しておこう。冷却構造セッションで紹介したように、フロントトップ右に「TURBO」ボタンを装備している。これには、前後標準で搭載される120mm口径ファンが接続されており、OFF状態では低速回転、ON状態では高速回転で動作させることができる。そこで、PCを実際に稼働させ、システム自体には負荷を掛ていない状態で「TURBO」ボタンON/OFF時の騒音値を計測してみた。
単位(dBA)※室内騒音値27.9dBAで、PCケース前面から30cmの距離で計測 |
「TURBO」OFF時は29.2dBAを計測。室内騒音値が27.9dBAであることから、その静音動作ぶりがお分かり頂けるだろう。実際に耳に聞こえてくる音も静かで、まったく気になるレベルではない。次に「TURBO」ON時は36.4dBAと、回転数が上昇したことが数字だけでなく、耳でもはっきりと感じ取ることができる。とはいえ個人差はあるものの、うるさく感じるレベルではない。「TURBO」ボタンの存在意義は、「いざという時」の安全装備であり、ちょっとしたオーバークロックや、ベンチマークテスト実行時等に威力を発揮してくれるはず。常時動作時は低速回転で、静かにPCを楽しみたい。
市場想定売価税込6,000円前後の「G7」は、価格こそエントリークラスながら、その出来栄えは1万円半ばのミドルレンジとなんら遜色はなかった。この手のモデルは必ずどこかにコストダウンの跡が見られる。果たしてその部分が許容できるか否かが、モデルそのものをジャッジする、重要なポイントになるってくるが、「G7」にはそれが見当たらない。細かいことを言えば、2.5/3.5インチシャドウベイの作りが若干甘いが、実際にHDDをマウントしてしまえば、それが構造強化の手助けになり、剛性が高くなる。設計時点、そこまで計算済みかはさておき、要所にIn Winらしさが感じられる良品と言える。
毎年数えきれないほどのPCケースが「出ては消え」という自作市場にあって、生き残りは熾烈をきわめている。各メーカーは爆発的ヒットはもとより、定番化を目指し、販売価格と製品クオリティおよび製造コストの兼ね合いに頭を悩ませているワケだ。これまで国内市場で定番化を果たしたPCケースを振り返ると、いずれも「飽きのこないデザイン」「奇をてらわない実直な構造」という点が共通する。結局のところ「基本に忠実」が最も重要のようだ。
In Win「G7」はいずれの要素も持ち合わせ、さらにコストパフォーマンスの高さも兼ね備えている。プライベートブランドPCにも採用されている「G7」。息の長いモデルになりそうだ。