エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.247
2013.07.15 更新
文:GDM編集部 池西 樹
GIGABYTE「GV-R779OC-2GD」実勢価格20,000円前後 製品情報(日本ギガバイト/CFD販売株式会社) |
検証を進める前に、まずはRadeon HD 7790について簡単に触れておこう。今年3月22日に正式発表されたRadeon HD 7790は、メインストリーム向けRadeon HD 7700シリーズの最上位GPUだ。製造プロセスは28nm、アーキテクチャも「Graphics Core Next」から変わりないが、採用コアはこれまでの「Cape Verde」から新デザインの「Bonaire」ヘと刷新された。
Radeon HD 7790のブロックダイアグラム(左)とRadeon HD 7770のブロックダイアグラム(右)。Radeon HD 7790ではデュアル構造へと変更され、Primitive Rateも1prim/clkから2prim/clkへと向上している |
ブロックダイアグラムを見ると分かる通り、「Bonaire」の構造はRadeon HD 7800シリーズの「Pitcairn」コアに近く、Compute Unitは14基、ストリームプロセッサは896基へと増量。メモリクロックも4,500MHzから6,000MHzへとアップし、3D処理性能はRadeon HD 7770比で約20~30%と大幅に向上している。一方、消費電力は5W増の85Wに抑えられ、省電力機能「AMD Power Tune Technology」も負荷に合わせて、より細かくクロックや電圧を変更できるよう改良されるなど、メインストリームらしく電力効率を重視した設計となっている。
「GV-R779OC-2GD」は、リファレンスの倍にあたるGDDR5 2GBメモリを実装したRadeon HD 7790グラフィックスカード。VGAクーラーには、特許技術Triangle Coolデザインのヒートシンクと100mmファン×2で構成される「WINDFORCE 2X」を搭載し、静音性を維持したまま高い冷却性能を実現している。
基板のほぼ全体を覆う「WINDFORCE 2X」が印象的な「GV-R779OC-2GD」 |
その高い冷却性能を生かし、コアクロックは1,075MHz(リファレンス1,000MHz)のオーバークロック仕様。その他のスペックはリファレンス準拠で、メモリバス幅は128bit、メモリクロック6,000MHz。出力インターフェイスはDVI-I×1、DVI-D×1、HDMI×1、DisplayPort×1が用意され、AMD Eyefinity機能による4画面出力に対応する。
そして、GIGABYTE独自品質基準「Ultra Durable 2」準拠による高品質設計も特徴だ。電源回路には、高効率で発熱の低い低電圧RDS(on)MOSFETやフェライトコアチョークを採用し、高負荷の掛かるゲームにおける安定動作を実現。さらに耐久性固体コンデンサを贅沢に採用することで、高い耐久性を確保した。
外装パッケージの外形寸法は実測値で330×236×57mmと、比較的スリムなサイズ | パッケージ裏面には、特許技術“Triangle Cool”を中心に、「WINDFORCE 2X」の解説が記載されていた |
「GPU-0.7.2」の結果。GPUコアは「Cape Verde」ではなく「Bonaire」を採用していることが確認できる | |
アイドル時はコアクロック300MHz、メモリクロック150MHzへと下げることで消費電力を抑える仕組み |
ちなみに、GIGABYTEのRadeon HD 7790搭載カードは「GV-R779OC-2GD」以外に、メモリ容量1GBの「GV-R779OC-1GD」もラインナップ。メモリ容量以外は同等のスペックながら、カード長は約200mmへと短縮され、コンパクトケースに搭載する場合はこちらを選択するといいだろう。
メモリ容量を1GBに抑えた下位モデル「GV-R779OC-1GD」(実勢価格17,000円前後)。カード長が大幅に短縮化されているため、コンパクトケースに搭載する場合はこちらがオススメだ |