エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.253
2013.07.31 更新
文:GDM編集部 池西 樹
SATA3.0 SSDの鉄板モデルとして高い人気を誇るPLEXTOR「M5 Pro Xtreme」(左)と東芝「HG5d」のOEMモデルCFD「CSSD-S6T256NHG5Q」(右) |
そもそもSSDの性能は、HDDとの違いが分かりやすく、さらに数字的なインパクトもあることで、連続データのアクセス速度シーケンシャルアクセスを中心に語られることが多かった。しかし、SATA3.0(6Gbps)インターフェイスの限界に近づいたこと、そしてOSやアプリケーションの起動など、体感性能により近い指標という観点から、最近ではランダムアクセスが重要視されることが多くなっている。
SSD初期の定番コントローラ、JMicron「JMF602」を搭載するADATA「ASX1032GSUMAL」(左)とPLEXTOR「PX-256M5Pro」(右)のベンチマーク結果。シーケンシャルもさることながら、ランダム性能の向上が著しい |
初期のSSDでは、せいぜい数千IOPSだったランダムアクセスは、NCQ(Native Command Queuing)によるキューイング処理を組み合わせることで、今や10万IOPSを超える製品も登場。PCI-Express製品のような、一部のハイエンド向けでなければ難しかった超高速ランダムアクセス環境を、比較的低コストで構築できるようになった。
今回検証するのは、PLEXTOR「M5 Pro Xtreme」シリーズの256GBモデル「PX-256M5Pro」(以降:M5 Pro Xtreme)と東芝「HG5d」シリーズのOEMである、CFD製「CSSD-S6T256NHG5Q」256GBモデル(以降:HG5d)だ。いずれも東芝製19nmプロセスのMLC NANDフラッシュと、独自ファームウェアを実装させたMarvell製コントローラを採用しているものの、その内部設計は大きく異なる。
「M5 Pro Xtreme」では、クラス最高レベルの大容量キャッシュを実装することで、SSDへのアクセスを最適化し、高速かつ安定した転送を実現する。一方「HG5d」は、高価なDRAMキャッシュの代わりに、MLC NANDフラッシュの下位ページのみに書込を行う擬似SLCモードを利用することで、コストを抑えつつパフォーマンスを維持する手法が取られている。
公称スペックを確認すると、シーケンシャルアクセスは、「M5 Pro Xtreme」が読込540MB/sec、書込460MB/sec、「HG5d」が読込530MB/sec、書込490MB/secとなり、書込性能では「HG5d」がやや優勢。ランダムアクセスは「M5 Pro Xtreme」が読込100,000 IOPS、書込86,000 IOPS。「HG5d」は東芝の資料では非公開ながら、CFDによる調査で読込98,560 IOPS、書込51,968 IOPSとされており、「M5 Pro Xtreme」が書込性能で大きく差をつけている。
また高温環境での動作チェックや48時間のバーンテストなど、厳しい品質チェックを行う「M5 Pro Xtreme」では、0℃~70℃の広い動作温度範囲と240万時間という長いMTBFを実現している点も見逃せないポイントだろう。
PLEXTOR「PX-256M5Pro」 実勢価格23,000円前後 製品情報(PLEXTOR/リンクスインターナショナル) |
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PX-256M5ProのCrystalDiskInfo 5.6.2の結果 |
CFD「CSSD-S6T256NHG5Q」(東芝「HG5d」OEM) 実勢価格21,000円前後 製品情報(CFD販売株式会社/東芝) |
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CSSD-S6T256NHG5QのCrystalDiskInfo 5.6.2の結果 |