エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.255
2013.08.04 更新
文:GDM編集部 松枝 清顕
冒頭でも触れた通り、「G-Master Hydro-Mini」を語る上で最も重要な水冷化されたグラフィックスカードの詳細を確認しておこう。
このモデルのグラフィックスカードには、以前検証を行った兄貴分「G-Master Hydro」同様、Asetek社の「740GN」が採用されサイコムの手によってビルトインされている。PCパーツの改造は”御法度行為”であり、全てのネジを外したところで、メーカー保証が受けられなくなることは多くの人が理解している。いわば禁断の作業をBTOメーカーが行い、製品に採用してしまう点は画期的だ。これこそが、サイコムの「G-Master Hydro」が高く支持されている大きなポイントと言えるだろう。
AsetekブランドがOEM向けに出荷している、オールインワンGPU水冷クーラー「740GN」 |
ラジエターは120mmファンサイズ。そこにはサイコム標準カスタマイズによりENERMAX「UCTB12」(120×120×25mm)が装着されている。これは「G-Master Hydro」同様の組み合わせである。
なおENERMAX「UCTB12」は、ツイスターベアリングを搭載した「T.B.Silence」シリーズに属し、回転数は900rpm固定で、42.11CFMの大風量ながら、動作音11dBAの静音動作が特徴。MTBFは100,000時間とされ、耐久性も大切な要素となる水冷GPUクーラー用としては適任というワケだ。
サイコムの手によって水冷化されたグラフィックスカード。標準構成では、NVIDIA GeForce GTX 770 2GBが選択されているが、さらに上位GPUとなる、GeForce GTX 780 3GBおよびGeForce GTX TITANまでカスタマイズできるようになっている。さすがにTITANはオーバースペックに感じるかもしれないが、マウントされる水冷ユニット、Asetek 740GNの冷却能力を証明するひとつの象徴とも解釈できる。Asetek 740GNの冷却パフォーマンスは高そうだ。
標準構成で搭載されるのは、NVIDIA GeForce GTX 770 2GB。28nmプロセス製造のKeplerアーキテクチャが採用されたGPUで、市場での人気も高い | |
グラフィックスカードはサイコム独自に水冷化。カスタマイズでGeForce GTX TITANまで冷却できるAsetek 740GNは、かなりの実力者のようだ |
メインメモリのデフォルトはDDR3 8GB(PC3-12800/4GB×2)だが、評価機では容量16GB(8GB×2)が搭載されていた。なおカスタマイズ画面からは、8GB・16GB・32GBの3つから選択が可能(なしも選択できる)。実際に搭載メモリを外してみると、レイテンシCL11のELPIDA「J4208BBBG-GN-F」実装品が使われていた。
なおサイコムBTOで使用されるメモリは、全て6層基板のメジャーチップが採用され、安価なOEM品は一切使用されていない。
今回の評価機にはELPIDA「J4208BBBG-GN-F」チップ実装のDDR3 8GBメモリが2枚搭載されていた。なお、受注タイミングにより、HynixまたはMicron等のメジャーチップが採用されている場合もあるとのこと。いずれもサイコムの検証済みで出荷されるため、品質に問題はない |
トップパネル部には防塵フィルター2個が装備されている。これはサイコムのオリジナルで、ベースとなるCORSAIR「350D」には搭載されていない。採用されているのは、SilverStone「SST-FF141」で、マグネットによる簡単装着が特徴。チリやホコリのケース内進入を未然に防いでくれる。
マグネット着脱式のため、メンテナンス性は良好。簡単に取り外せるだけに、簡単に”外れてしまう”。いつの間にかズレていたりする点はご愛敬 |