エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.255
2013.08.04 更新
文:GDM編集部 松枝 清顕
次はGPU温度を計測してみよう。「G-Master Hydro-Mini」はグラフィックスカードも水冷化されているため、空冷とは違ったパフォーマンスを期待してしまう。特にサイコムの手により”わざわざ”水冷化させている事を思えば、それなりのアピールが数値に表れるはずだ。果たして良好な結果を叩き出したCPUの冷却結果に追随できるのだろうか。こちらも検証にはサイコムの独自検証と同様、「FurMark v1.0.6」を使い、高負荷状態1時間経過時のデータを検出している。
【GPU温度】 検証室内温度27.8℃/湿度57% |
グラフィックスカードのテスト結果は、アイドル時31℃に対し、高負荷時は66℃になった。高負荷状態1時間での結果としては、十分問題がないレベルで冷却されている。水冷ユニットのポンプ動作音もまったく気にならない。
なお水冷化されたグラフィックスカードだが、ボード部にもシロッコファンが搭載されており、拡張スロット部からの外排気が行われている。そこでシロッコファンの回転数も念のため確認しておこう。
【GeForce GTX 770搭載シロッコファン回転数】 |
またGPU冷却用ラジエター搭載に搭載されるENERMAX「UCTB12」(120×120×25mm)は、公称11dBAの900rpm固定。「FurMark v1.0.6」100%負荷時の回転数を確認すると、849rpmだった。
今年3月に検証を行ったデュアル水冷仕様「G-Master Hydro-GK」は、そのインパクトの強さから、未だに閲覧者が多い息の長いレビューのひとつになっている。CPUの水冷化だけなら比較的ライトな自作ユーザーでも組み込む事ができる。しかしグラフィックスカードの水冷化に至っては、未だオールインワンタイプの汎用モデルは限定的であり、リスクを伴う。サイコムはそれらをクリアし、製品化に漕ぎ着けた。
そして「G-Master Hydro-Mini」誕生の大きなきっかけとなったのは、エルミタでも詳細に検証を行ったCORSAIR「Obsidian 350D」の存在が大きい。現時点MicroATXケースの最強モデルである事は多くの人が認めるところだが、サイコムはこれを使い、見事にMicroATX版デュアル水冷PCを完成させた。その開発の裏には、14項目にもわたる詳細な検証や、妥協なき構成パーツの選定、そして実績が物を言う完璧なまでのケーブルマネジメント。それら全てが、コンパクトな筐体の中に詰め込まれているのだ。内部容積が限られたMicroATXケースだけに、その密度も濃いものに仕上げられている。
最も自作感覚に近いBTOカスタマーのサイコムには、サイコムでしか買えないものがある。それこそがサイコムの最大の強みであり、最大の武器になっている。