エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.258
2013.08.17 更新
文:GDM編集部 池西 樹/松枝 清顕
次に「ファイナルファンタジーXIV」の2期目タイトル“新生エオルゼア”のベンチマークテストを実施した。品質プリセットはもちろん“最高品質”にセットし、1,280×720ドットと1,920×1,080ドットの2パターンの解像度でテストを行った。
ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア ベンチマーク ワールド編 |
「ファイナルファンタジーXIV」は、マルチGPUへの最適化が進んでいないこともあり、スコアはやや低調。デュアルGPUソリューションは、“すべてのゲームでパフォーマンスが向上するわけではない”ということは、考慮しておく必要がある。とはいえ、1,280×720ドットでは“非常に快適”、1,920×1,080ドットでも“快適”な動作が保証され、実際のゲームプレイにはまったく支障はない。
ベンチマークテストでは、ハイエンドらしいパフォーマンスを見せてくれた「PASSANT Ex DeVIL GaMERz FX」。続いて、ベンチマーク実行中の消費電力を確認していこう。アイドル時は10分間放置した中で最も低い値、「CINEBENCH R11.5」と「3DMark」はそれぞれのベンチマーク実行中で最も高い値とした。
消費電力(W) |
アイドル時はCPU、GPUとも省電力モードが効果的に働き、約110WとハイエンドゲームPCとしては、思いの外低い結果。ただし、CPUがフルに動作する「CINEBENCH R11.5」では477.5W、グラフィックスカードへの負荷が上がる「3DMark」では626.5Wと、負荷時の消費電力はかなり大きい。特にアイドル時と「CINEBENCH R11.5」の差をみる限り、FX-9590はTDP通りかなり大食漢のCPUと言えるだろう。
消費電力テストでは、なかなかインパクトのある数値を叩きだした「PASSANT Ex DeVIL GaMERz FX」だが、その冷却性能は気になるところ。そこで、まずはCPU周りの冷却性能を確認することにした。負荷ソフトには「OCCT 4.4.0」を使い、「CPU:OCCT」テストを1時間実行して、CPU温度およびラジエター搭載120mmファンの回転数を測定した。
CPU温度(℃)/検証室内温度28.4℃ | |
ラジエターファン回転数(rpm) |
CPU温度をみると、アイドル時(起動後30分間放置)で31℃、100%負荷実行中でも65℃と良好な結果。Cooler Master「Seidon 240M」は、TDP220WのFX-9590を完璧に冷却できていることがわかる。またラジエターファンの回転数を確認すると、高負荷時でも2,100rpmまでしか上がらず、公称最大値2,400rpmまではまだ余裕がある。実運用では、ここまで継続して高負荷が続くのは極まれなケースと考えれば、CPU周りの冷却性能にはまったく不安はない。
続いてRadeon HD 8990に搭載された、リファレンスクーラーの性能を確認しておこう。3連ファンと大型のヒートシンクを組み合わせた大掛かりな構成だが、外観通りのパフォーマンスを発揮できるだろうか。なお検証には最も消費電力が大きかった「3DMark」を約1時間ループ実行して測定している。
GPUコア温度(℃)/検証室内温度28.4℃ | |
VGAクーラーファン回転数(rpm) |
GPU温度は、アイドル時44℃、高負荷時でも85℃までしか上がらず、ハイエンドGPUでは特に問題ないレベル。ファンの回転数もアイドル時で998rpm、高負荷時で2,071rpmと常識的な範囲内に収まっている。デュアルGPUカードというと、とかく扱いにくい印象が強いが、Radeon HD 8990は、ハイエンドのシングルGPUカードと変わらないイメージで利用できる。