エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.262
2013.09.01 更新
文:GDM編集部 池西 樹
最後に「ATTO Disk Benchmark 2.47」を使い、シーケンシャルアクセスの最大性能を確認しておこう。
シングルドライブの「ATTO Disk Benchmark 2.47」スコア | RAID 0(2台)の「ATTO Disk Benchmark 2.47」スコア |
RAID 0(3台)の「ATTO Disk Benchmark 2.47」スコア | RAID 0(4台)の「ATTO Disk Benchmark 2.47」スコア |
これまでのベンチマークでは1,100MB/secで頭打ちとなっていた書込性能だが、「ATTO Disk Benchmark 2.47」では最高1,335MB/secまで上昇した。読込も最高1,648MB/secと素晴らしいスコアで、まさにIntel 8シリーズとPLEXTOR「M5 Pro Xtreme」の相性の良さを体感できるベンチマークと言える。
コンシューマ向けPCでは、“RAID”イコール“RAID 0”というイメージが強いが、3台以上のSSDを使うなら、性能と信頼性を両立できるRAID 5やRAID 10構成を試してみるのも面白い。ドライブの一部をバックアップ用の予備領域として利用するため、実際に使用できる容量はRAID 0より少なくなるが、構成ドライブが故障した場合でもデータを保持できるため、信頼性は格段に向上する。重要なデータを保存する場合は、有効な手段なのでうまく活用してほしい。
RAID 5では、書込時に冗長用データ(パリティ)処理が入るため、書込性能はシングルドライブ以下と振るわない結果。しかし、シーケンシャル読込は最高1,535MB/secを計測し、RAID 0に匹敵するパフォーマンスを発揮する。バックアップ領域も構成ドライブ1台分と少ないため、容量を重視するならRAID 5構成がいいだろう。またRAID 10では、シーケンシャル読込だけでなく、書込もシングルドライブを上回る点に注目したい。物理容量の半分を予備領域として使うため、実容量は少なくなるが、パフォーマンスと信頼性を重視するなら、RAID 10の導入を強くオススメする。
「M5 Pro Xtreme」シリーズの優れたパフォーマンスは、Intel 8シリーズのオンボードRAIDでも健在だ。4台のRAID 0では、読込1,600MB/sec、書込1,300MB/secまで速度を上げることができ、PCI-Express対応SSDを超える性能を手軽に構築できる。また台数が増えるに従い、不安定な挙動を示すことが多いRAIDドライブだが、厳しい動作検証が行われている「M5 Pro Xtreme」では安定性にも不安はない。
さらにMTBF240万時間を誇る耐久性を生かし、RAID 5やRAID 10のような冗長構成を採用すれば、長期運用にも耐えるセキュアなストレージ環境を構築できるはずだ。価格面でも1TBで8万円強と単体SSDから大きく変わらず、大容量SSDの購入を考えているなら「M5 Pro Xtreme」によるRAIDドライブを検討してみるといいだろう。