エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.268
2013.09.28 更新
文:GDM編集部 池西 樹
オーバークロック動作の確認ができたところで、ベンチマークソフトを使いその効果をチェックしていくことにしよう。
まずはPCMark 7を使った総合パフォーマンスのチェックから。プリセットは「Overall performance」の「PCMark suite」を選択し、「Workloads」は標準設定のままで計測を行っている。
PCMark 7 v1.4.0 |
今回はCPU、GPUコアの両方をオーバークロックしているが、総合パフォーマンスの違いは約2%とわずか。元々CPUコアはTurbo Core機能で4.40GHzまで引き上げられるため、+200MHzのチューニングではあまり大きな差が出なかったようだ。
次にCPU向け定番ベンチマーク「CINEBENCH R11.5」を使って、CPUコアパフォーマンスを確認していこう。
CINEBENCH R11.5(pts) |
CPUコアの消費電力に余裕があり、Turbo Core機能が効果的に働くシングルコアテストの傾向は「PCMark 7 v1.4.0」と同様。一方、CPUへの負荷が上がり、Turbo Coreの効きが悪くなるマルチコアテストでは、約8%と比較的大きな差がついた。動画エンコードや画像処理など、マルチスレッドに最適化されたアプリケーションを高速化したい場合には、CPUコアのチューニングは有効な手段と言えるだろう。
続いて、GPUコアのパフォーマンスを確認するため、3Dベンチマークソフトの定番「3DMark v1.1.0」によるテストを実施した。なお今回はオンボードグラフィックスのパフォーマンス検証ということを考慮して、プリセットには「Cloud Gate」を選択している。
3DMark v1.1.0 Cloud Gate |
定格でもGraphics Scoreは8,000超、総合スコアも6,000超とオンボードグラフィックスでは優秀な結果。オーバークロックの効果も約5%としっかりと確認でき、パフォーマンス向上に一役買っている。個体差もあるため、すべての環境で今回と同様の設定ができるわけではないが、グラフィックス性能のアップグレードを考えるなら、まずはGPUコアのチューニングを試してみるといいだろう。
ここからはゲームベンチマークを使用して、実際のゲームシーンにおける挙動を確認していく。まずは滑り出し好調の「ファイナルファンタジーXIV」2期目タイトル“新生エオルゼア”ベンチマークテストから。品質設定のプリセットは“標準品質(デスクトップPC)”と“高品質(デスクトップPC)”で、解像度は1,280×720ドットと1,920×1,080ドットの2パターンを計測している。
ファイナルファンタジーXIV:“標準品質(デスクトップPC)” | |
ファイナルファンタジーXIV:“高品質(デスクトップPC)” |
“標準品質(デスクトップPC)”なら、1,280×720ドットで“とても快適”、1,920×1,080ドットでも“快適”を満たし、別途グラフィックスカードを用意する必要はない。また“高品質(デスクトップPC)”でも、1,280×720ドットまでなら、オーバークロックにより“快適”レベルを維持できる点にも注目したい。ただし、1,920×1,080ドットでは、オーバークロックをしてもプレイできるレベルには届かなかった。電圧を上げればさらにパフォーマンスの向上は見込めるが、ここは素直にグラフィックスカードの増設を検討するべきだろう。