エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.269
2013.10.11 更新
文:GDM編集部 Tawashi
ここからはゲームベンチを使用し、実際のゲーミングシーンにおける挙動をチェックしておこう。まずは正式サービス開始以降、大人気のオンラインRPG「ファイナルファンタジーXIV」2期目タイトル“新生エオルゼア”のベンチマークテストだ。品質設定のプリセットはもちろん“最高品質”にセット、解像度を1,280×720ドットと1,920×1,080ドットの2パターンから選択して計測を行っている。
ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア ベンチマーク キャラクター編 |
高解像度環境を含め、スクウェア・エニックスの指標である“非常に快適”を満たす7,000を大きく上回っており、数値自体に全く不満はない。実際にプレイするゲーマーにとっては気になる解像度であろう1,920×1,080ドット時のスコアは11,332。すでにミドルレンジクラスのグラフィックスカードを使ってプレイしているという読者にとっては羨ましい数値と言える。
もうひとつ、人気のゲームタイトルからカプコンのサバイバルホラーアクション「バイオハザード6」のベンチマーク結果をお届けする。品質設定は最高品質(初期設定)で、解像度のみを1,280×720ドットと1,920×1,080ドットにセットして計測を行った。
バイオハザード6ベンチマーク |
1,280×720ドット時の低解像度はもちろん、1,920×1,080ドットにセットした高解像度設定でのスコアは12,664。RESULTS画面では、ほかに5段階の「ランク」で快適度が表示されるが、もちろん「ランクS」を獲得している。GeForce GTX 780のパフーマンスに死角はない。
借り受けた「G-Master Vengeance」は、CPUにTDP130Wの「Core i7-4930K」を搭載し、その冷却を担当するのが240mmサイズラジエターを備えるCORSAIR製水冷ユニット「H100i」だ。ここで気になるのが、やはりその冷却性能だろう。
そこで、CPU周りの冷却性能を確認することにした。負荷ソフトにストレスツール「OCCT 4.4.0」を使い60分間のテストを実施。同時にハードウェアモニター「HW Monitor 1.23」を使い、CPU温度およびラジエター搭載120mmファン2基の回転数をモニタした。なお、テストはエアコンの効いた室温26.5℃/湿度62%という環境にて動作させている。
【CPU温度】 検証室内温度26.5℃/湿度62%(単位℃) | |
ラジエターファン回転数(単位rpm) |
CPU温度をみると、アイドル時(起動後30分間放置)で31℃、100%負荷実行中でも63℃と極めて良好。CORSAIR「H100i」は、TDP130Wの「Core i7-4930K」に対して、しっかりと与えられたタスクをこなしてくれている。
一方のラジエターファン回転数。「H100i」が標準で搭載する2基の120mmファンは、公称値の最大が2,700rpm±10%だ。最小値は非公表ながら、アイドル時(起動後30分間放置)は実測値で575rpmだった。以上の数字を念頭に検証結果を見てみると、高負荷時の1,590rpmは最大回転数である2,700rpmまでかなりの余力を残す結果となった。実運用ではここまで継続して高負荷が続くのは極まれなケースと考えれば、CPU周りの冷却性能にはまったく不安はない。それどころか、オーバークロックでの運用も試したくなるほど優秀な冷却能力を見せてくれた。
ベンチマークテストでは、ハイエンドらしい申し分のないパフォーマンスを披露してくれた「G-Master Vengeance」。テストセッションの最後はベンチマーク実行中の消費電力を確認していきたい。アイドル時は10分間放置した中で最も低い値、「CINEBENCH R11.5」と「3DMark」はそれぞれのベンチマーク実行中で最も高い値を記載した。
消費電力(単位W) |
アイドル時はCPU、GPUとも約80WとハイエンドPCとしては、優秀な結果。CPUがフルに動作する「CINEBENCH R11.5」では181W、さらにグラフィックスカードへの負荷が上がる「3DMark」では335Wとそれなりに上昇しているが、いずれも許容範囲だ。「G-Master Vengeance」では電源ユニットに80PLUS GOLD電源ユニットの容量750Wモデル「HX750」が採用されているが、購入後のストレージ系デバイス追加はもちろん、マルチグラフィックスカード環境へのアップグレードにも十分対応してくれるだろう。
サイコムには水冷仕様のBTOが豊富にラインナップされている。そんな水冷ユニットの使いこなしが得意なBTOカスタマーであるサイコムと、水冷ユニットのみならず、秀作PCパーツを数多く取り揃えるCORSAIRとの相性は、実に良い。そんな両社がタッグを組んで誕生した「G-Master Vengeance」は、ターゲットをエンスージアスト向けに絞ったコンセプト“BUILT FOR PERFORMANCE”(徹底したパフォーマンスの追究)が忠実に再現された、完成度の高いBTOに仕上げられている。
「G-Master Vengeance」のもつ絶対的な拡張性能や、余裕のある内部構造が生み出す静音性能は実に魅力的だ。今後、数年先を見据えたアップグレードにも十分対応可能な安心感は、長年付き合う相棒として選択するには最適なPCといえるだろう。