エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.270
2013.10.16 更新
文:GDM編集部 松枝 清顕
次に最大の難関とも言える、ラジエターをPCケースに取り付けてみる。冷却ファン部にポンプを移設したことで、従来型オールインワン水冷ユニットよりも広いスペースが必要な「Kuhler H2O 1250」。今回の検証には、Antecブランドで唯一搭載可能とされる「P280」シリーズと、他社を代表して搭載可能とされるCORSAIR「330R」を用意。それぞれに「Kuhler H2O 1250」のラジエターをマウントさせてみよう。
Antec「P280」 製品情報(株式会社リンクスインターナショナル) | |
トップパネルからマザーボードまでの距離はおおよそ60mmが確保されている |
これまでの検証記事でも、トップ部に240mmサイズラジエターが搭載できるPCケースをご紹介してきたが、共通するのは、トップ部とマザーボード末端までの隙間はおおむね60mm以上が確保されている点。一般的なラジエターは25mm厚程度で、それに冷却ファン(25mm厚)を重ねると、合計50mm。よって60mm以上あれば、マザーボードに多少大型なヒートシンクが搭載されていても回避できる(基板からはみ出しが大きい場合は注意が必要)。
なお「P280」は、さすがにレコメンドPCケースだけあって問題なくマウントができた。唯一リアファンのフレームとウォーターチューブの接触だけが気になるが、ファンの回転を邪魔することはない。
リア排気ファンのフレームと接触するウォーターチューブ。しかし動作に問題はない | メモリスロット付近に張り出すポンプも気になるところだが、GIGABYTE「Z87-D3HP」の場合、CORSAIR「DOMINATOR PLATINUM」シリーズでもヒートスプレッダは干渉する事無く搭載できた |
CORSAIR「330R」 製品情報(株式会社リンクスインターナショナル) | |
トップパネルからマザーボードまでの距離は、「P280」同様約60mmが確保されている |
リンクスインターナショナルの担当者から搭載可能との情報を得て借り受けた、CORSAIR「330R」。「P280」と違い、トップ部の冷却ファンスペースには、120mm口径に加え140mm口径もマウントできるため、幅に若干の余裕がある。また冷却ファンのマウント位置がややフロント寄りである事から、「P280」のようにリアファンとウォーターチューブが接触する事も無い。しかし、フロント寄りの弊害として、ウォーターチューブが5.25インチベイに「浸食」してしまうため、最上段のオープンベイは使用が難しい。
トップファンのネジ穴が「P280」よりも若干フロント寄りなだけに、リアファンとウォーターチューブの物理的接触は回避できている。なおCPU用12Vコネクタはブラインドになるため、若干挿しにくいかもしれない | ウォーターチューブが5.25インチベイまで浸食しているため、一部使用を諦めるしかない |
ここでは「Kuhler H2O 1250」レコメンドのAntec「P280」とCORSAIR「330R」を用意し、ラジエターの搭載テストを行った。いずれも若干の注意事項がありつつも、概ね問題なくマウントできることが分かった。とはいえ、トップ部に240mmサイズラジエターが搭載できるスペースがあっても、ポンプ部の張り出しや、両サイドに接続されるウォーターチューブの存在は十分に考慮しなければならない。