人気CPUクーラーは1度に2,000個入荷

東京都江戸川区に本社を構える株式会社サイズ。倉庫機能を兼ねた巨大な建物の内部には、サイズ製品が山のように積み上げられていた

最寄り駅から歩くことおよそ15分。到着した巨大倉庫を目の前に右往左往していると、株式会社サイズのスタッフ、杉田氏が出迎えてくれた。案内されるまま中に入りまず驚かされたのは、事務所を兼ねた倉庫の広さだ。体育館程度はあろうかと思われる広大なフロアには、見慣れたPCケースやCPUクーラーを収めた段ボール箱が、いたるところ山積みにされている。「人気のCPUクーラーなどは、一回に2,000個まとめての入荷も珍しくありません。これでも昨日PCケースを大量に出荷したばかりなので、ガラガラなんですよ」（杉田氏）というから驚きだ。

入口のすぐ脇には縦8段の巨大なPCケースタワーが築かれていた	内部は1階と2階の2フロア構成。PCケースなどの大物は1階、CPUクーラーやファンなどの小物類は2階といった具合
一見迷路のようだが整頓されたフロア内をテキパキと動き回るスタッフ。商品を出荷先ごとに手際よくさばいていく
先日入庫されたばかりというCPUクーラー。よく見ると「SCASR-1000」という型番が確認できる。人気モデルの「阿修羅」だ	パッケージ作業は国外現地工場で行われる。なお輸送中に箱が傷んだ場合、ここに用意された予備のパッケージに詰め替える
直接ショップに卸すことも多いサイズでは、1個単位の細かい注文にも対応。出荷先ごとに仕分けしていく	検証用スペースも数か所に設けられている。ここは電源ユニットの検証コーナーのようだ

「汚れてボロボロになったクーラーを見るとたまらなく嬉しい」

サイズ社内のミニ見学会が終わったところで、本題であるインタビューを開始しよう。今回ご登場頂くのは、株式会社サイズ代表取締役である渡辺 剛博氏と、主に開発を担当している杉田 守氏。いずれも、PCパーツ黎明期より業界に携わる人物で、当然ながら知識は豊富。興味深い話が次々と飛び出した。

株式会社サイズ代表取締役の渡辺 剛博氏。3名で立ち上げたという株式会社サイズ創立メンバーの1人。長年、商品企画や購買に携わってきたが、今年から代表取締役に就任。10周年を迎えた同社を牽引していく立場となった	購買課の杉田 守氏。もともとパーツ業界とは無関係のサラリーマン生活を送っていたが、パーツ好きが高じて有名パーツショップへ転職。その後自ら開発に携わりたいという思いから、株式会社サイズへ入社。特にCPUクーラーについての知識は非常に豊富だ

• 編集部：
  10周年を迎えたサイズですが、はじめに会社設立の経緯をお聞かせください。
• 渡辺氏：
  今でも状況にあまり変わりはありませんが、当時は星野金属など数社しか国内パーツメーカーがなく、どうしても日本から発信できるパーツメーカーを作りたかった。