低発熱化によりロープロファイルタイプの売り上げ好調

• 編集部：
  近頃のCPUは、かつてに比べると低発熱化が進んでいます。冷却系アイテムを扱うメーカーとして、そのあたりはどのようにお考えですか。
• 杉田氏：
  昔に比べてライトなスペックの製品が売れていますね。ヒートパイプも6本より4本だったり、他社のアイテムですがヒートパイプダイレクトタッチのモデルだったり。先ほども言いましたが、ツインタワー型ヒートシンクのような大型製品は一部のオーバークロック系ユーザーを除くと、時代に合わなくなりつつあると思います。
  　「阿修羅」や「虎徹」がそうですが、干渉排除型デザインのナローフィン採用だったり、ブリッジ式リテンションだったりと、CPUの低発熱化が進んだ影響で使いやすさや販売価格を優先したモデルに市場はシフトしているといえるでしょう。
• 渡辺氏：
  低発熱化が進んだとはいえCPUクーラーが不要なのかというと、そうではありません。よりシンプルな製品を作らなければならないという意味では、影響を受けていると言えますが、CPUクーラーはまだまだ必要なコンポーネントなので危機感は感じていません。市場のニーズに応える製品を作るだけだと思っています。
• 編集部：
  その市場ではMini-ITX対応マザーボードのラインナップも増え、対応PCケースも増えています。ここ最近、ロープロファイルCPUクーラーの売れ行きに変化はありますか。

LGA2011でも使える前高58mmのロープロファイルCPUクーラー「BIG SHURIKEN 2リビジョンB」（型番：SCBSK-2100）

• 渡辺氏：
  右肩上がりで売れています。これは弊社のWebサイトの製品ラインナップをみてもらえばわかると思いますが、今や半分近くがロープロファイルCPUクーラーになっています。ただ、ロープロファイルCPUクーラーのデザインは難しい。サイズが小さいためどうしても設計上の制約が大きく、大胆なモデルが作りにくいという悩みはありますね。
• 杉田氏：
  ロープロファイルCPUクーラーは、オリジナルモデルも含め新製品をいくつか用意しています。近々お知らせできると思いますよ。

全高40mmの超ロープロファイルCPUクーラー「KOZUTI（小槌）」（型番：SCKZT-1000）。内部空間が狭いMini-ITX環境には最適なモデルだ

• 編集部：
  PCケースでもJONSBOブランドのような比較的小型のモデルがラインナップされていますね。
• 渡辺氏：
  数年前のCOMPUTEXで見つけ、「是非やらせてくれ」と。今まで「MONOBOX」シリーズで展開していたものを、今後はJONSBOの名前で販売していきます。MicroATX対応の新モデルも用意していますので期待して待っていてください。

JONSBOブランドの最新モデル「U3」が間もなく登場。小型のMicroATX対応ケースでマルチグラフィックスも可能。サイドパネルにはアクリルウィンドウが採用される