エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.272
2013.10.24 更新
文:GDM編集部 絵踏 一
さて、パフォーマンスの検証を終えたところで、テスト中の「TRIPLE SILENCER」クーラーの挙動を確認してみよう。計測には「3DMark」の“Extreme”プリセットを使用し、10分間のループ実行時における最も高い数値を高負荷時、逆に10分間何もせず放置した際の最低数値をアイドル時と設定。「GPU-Z 0.7.3」でGPU温度とファン回転数の計測を行った。
GPU温度計測 | |
ファン回転数計測 |
「TRIPLE SILENCER」のGPU冷却はかなり優秀で、オーバークロックを施しても温度と回転数の上昇は最小限だった。GPU温度も60℃台を維持しており、ファンの奏でる騒音もケースを閉めてしまえば気にならないだろう。ただし高負荷時に基板がかなり熱を持っていたのが多少引っかかったため、エアフローの最適化や近くにファンを設置するなど、何らかの手当てが必要になるかもしれない。
最後はテスト中における「GTX 780 AMP Edition」の消費電力を確認して締めくくりたい。ハイエンドモデルとあって、それなりの電源ユニットと組み合わせることが前提にはなるものの、オーバークロックによる影響も気になるところ。計測には上記同様「3DMark」の“Extreme”プリセットを使用し、10分間のループ実行時における最も高い数値を高負荷時、逆に10分間何もせず放置した際の最低数値をアイドル時と設定。ワットチェッカーによる計測を行った。
消費電力計測 |
まずアイドル時における差は1Wと誤差の範囲内で、省電力モードがうまく機能していることがうかがえる。また、高負荷時の消費電力増は30Wと少なく、電力面での負担にはなっていない様子。電源ユニットに気兼ねしてオーバークロックをためらう必要はなさそうだ。
さすがGTX 780グラフィックカードで最強クロックを誇るだけのことはあり、「GTX 780 AMP Edition」のパフォーマンスは圧巻だった。3スロット占有から転身、細長く進化した「TRIPLE SILENCER」も効率よく働いており、魅力的なパッケージに仕上がっている。ユーザーがあれこれいじるまでもなく、あらかじめ最大級にチューンされているのは、初心者向けにも分かりやすいトピックだ。買ってすぐに最強クラスのパフォーマンスを味わいたいなら、迷わず「GTX 780 AMP Edition」をチョイスするのがいいだろう。
GTX 780最高峰のスペックを誇る、ロングサイズのハイエンド「GTX 780 AMP Edition」。買ってすぐに最強、さらに叩いて上を目指すもよし。迷ったらコレを選んでおけば後悔はなさそうだ |
とはいえ、オーバークロックによるカスタマイズを楽しむだけの余裕もハイエンドモデルの醍醐味。「GTX 780 AMP Edition」もまた、特にOC向け機能やギミックを持たないながらに、かなりのポテンシャルを示してくれた。メーカーが「グラフィックスコアの実力を最大限に引き出す」と謳う通り、ハードコアユーザーにとっても価値ある一枚になるはずだ。