エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.275
2013.11.01 更新
文:GDM編集部 絵踏 一
ネーミングも新たにやってきた、新世代Radeonこと「Radeon R 200」シリーズ。Radeon R9 280X以下先行リリースのモデルは従来の“リネーム版”と見なされているが・・・? |
さて、カード本体に話を移す前に、まずはAMDが新たに投入した「Radeon R 200」シリーズについて軽く触れておきたい。今回よりネーミングが一新されたことからも窺えるように、この新世代GPUには市場の再構築を狙うAMDの大いなる期待がこめられている。リリースに合わせて公開されたシリーズ公式PVの「The Fixer」では、登場人物が某社のグラフィックスカードをハンマーやブロック、日本刀、チェーンソーなどのあらゆる手段を用いて破壊するという、過激なパフォーマンスを披露。やや前のめり気味ではあるものの、最近では珍しい挑戦的なアプローチには、同シリーズに懸けるAMDの並々ならぬ自信を垣間見ることができる。
そして今回の主役となるRadeon R9 280Xは、フラッグシップのR9 290Xの発表が遅れたことから、R9 270XやR7 260Xを従えたリリース時点の最上位として市場に登場した。その実は28nmプロセスの「Tahiti」コアを採用するRadeon HD 7970 GHz EditionベースのGPUで、2,048基のStream Processorを搭載。コアクロックは1,000MHz、メモリクロック6,000MHz、メモリバス幅384bit、GDDR5 3GBのビデオメモリを実装する。特にメモリは注目の大型タイトル「バトルフィールド4」の推奨環境である“ビデオメモリ3GB以上”をクリアすることから、ハイエンドゲーマーにとって快適プレイの目安となりそうだ。
さらに従来からワットパフォーマンスの改善が図られているほか、新たにDirectX 11.2に対応。PlayStation 4やXbox Oneなどの次世代家庭用ゲーム機と共通のGraphics Core Nextアーキテクチャ専用API「Mantle」もサポートし、将来的なタイトル移植もよりスムーズに進むことが期待される。
R9 280Xグラフィックスカードは、デビュー当初からメーカー独自のオリジナルモデルが多数登場。一拍遅れて発売された「R9 280X Twin Frozr 4S OC」もその1つで、高性能クーラー「Twin Frozr 4S」の搭載がトピックだ。豊富な実績から人気を誇る「Twin Frozr 4」の派生モデルで、「プロペラブレードテクノロジ」を採用する高い冷却性能はそのままに、さらなる静音性を追求。ゲーミングユースにはピッタリのクーラーといえる。
MSI「R9 280X Twin Frozr 4S OC」 実勢売価39,000円前後 製品情報(エムエスアイコンピュータージャパン株式会社) |
そしてスペックは優秀なクーラーに支えられたオーバークロック仕様。リファレンスからコアクロックを引き上げられ、コアベースクロック1,000MHz、ブーストクロック1,050MHz(リファレンス1,000MHz)にチューニングされた。メモリク周りはリファレンス準拠で、メモリクロック6,000MHz、メモリバス幅256bit、GDDR5 3GBのビデオメモリを実装する。
また、搭載コンポーネントはおなじみとなった軍事規格準拠の「ミリタリークラス4コンポーネント」を採用。過酷な環境に耐える高品質コンポーネントにより、高いオーバークロック耐性を誇る。ユーザーによる遠慮なしのカスタマイズに応えてくれるのはもちろん、長期間に渡って長く安心して使用できるというメリットもある。
「GAMING Series」のシンボルである、ドラゴンが描かれた目立つ「R9 280X Twin Frozr 4S OC」のパッケージ。“OC Edition”であることがしっかりアピールされている | |
裏面では「Twin Frozr 4S」クーラーに関する解説や、UEFI BIOS搭載の記述も。付属品としてはDisplayPort変換アダプタも封入されるなど、変換系はあらかた同梱されている |
ちなみに、本製品は「UEFI BIOSスイッチ」を搭載しており、任意で切り替えることでWindows 8のFast Boot機能を有効にできる。ログオンまでの時間を最短1.5秒まで縮めることができる有用な機能だが、グラフィックスカードに対応モデルが少ないことが難点だった。「R9 280X Twin Frozr 4S OC」なら、対応のマザーボードと組み合わせて快適なPCライフを送れるというわけだ。