エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.276
2013.11.04 更新
文:GDM編集部 池西 樹
次に、2ベイのメリットを生かしたデュアルドライブ構成のパフォーマンスについても確認しておこう。テストでは「PX-256M5Pro」を2台搭載させて、OSの標準機能を使い「ストライプ ボリューム」を作成。仮想的にRAID 0環境を構築して、どの程度性能が向上するのかチェックすることにした。
Windows 7に搭載されるダイナミックディスク機能を使い「ストライプ ボリューム」を作成 | |
「ストライプ ボリューム」では、2台のドライブをまとめて使用できるため、高速かつ大容量なストレージ環境を構築できる | |
「AS SSD Benchmark 1.6.4067.34354」のスコア | 「CrystalDiskMark 3.0.2f」のスコア |
「ストライプ ボリューム」では、ランダムアクセスで約3割、シーケンシャルアクセスでは約5割と大きくパフォーマンスが向上している。特にシーケンシャル読込は、いずれのテストでもSATA3.0 (6Gbps)の限界を超える600MB/secオーバーを計測し、ThunderboltがSATA3.0 (6Gbps)以上の帯域幅を備えていることは間違いない。ホットスワップの利便性は犠牲となるが、「RocketStor 5212」とSSDによる「ストライプ ボリューム」は、これまでにない大容量/高速な外部ストレージとして魅力的な存在だ。
変換アダプタを介しての接続となるため、最新のSATA3.0(6Gbps)対応SSDではボトルネックが発生しているのも事実。それでも、単体ドライブで400MB/secオーバー、「ストライプ ボリューム」で600MB/secを超える転送速度は、外部ストレージの中では飛び抜けて高速。現行最速クラスのパフォーマンスと行って差し支えない。USB3.0モデルに比べるとかなり強気な価格設定や、Thunderboltポートが1口しかない点はマイナス材料だが、高速な外部ストレージ環境を求める層には「RocketStor 5212」は間違いなくオススメできる。
USB接続ばかりのクレードル型ストレージに、Thunderboltという新たな選択肢を提供する「RocketStor 5212」 |
WindowsプラットフォームでのThunderboltの普及も始まり、USBに変わる新たな選択肢を提供する意味でも「RocketStor 5212」はなかなか面白い存在だ。今後HighPointには、1ベイ構成の廉価モデルやRAID機能を搭載した上位モデルなど、ラインナップの拡充にもぜひ期待したい。