エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.277
2013.11.08 更新
文:GDM編集部 松枝 清顕
最後のセッションでは実際にPCパーツを組み込み、気が付いた事などをご紹介しておこう。さすがに高価なモデルだけあって、これまで行った各ポイント別のチェックから、実に見所の多いPCケースである事が分かった。しかし、いざ構成パーツを組み込むと、額面通りにいかなかったり、場合によっては「設計に難あり」と思えることもしばしば。やはりPCケースの善し悪しは、PCを1台完成させてみなければ分からない。
その内部設計から、水冷に特化されたPCケースである事は心得ている。しかしここでは、未だ圧倒的主流である空冷CPUクーラーを敢えてチョイスした。そもそもPhanteksというブランドを世に知らしめたのは、空冷最強クラスと言われるCPUクーラーの存在だ。功労者的存在を忘れてはいけない。
今回用意したのは、140mm口径ファンをデュアル搭載させた、ツインタワーサイドフロー「PH-TC14PE CPU Cooler」 だ。売価1万円クラスの高価なモデルだが、空冷オーバークロッカー御用達モデルとして、海外ヘビーユーザーの間では未だ人気が高い。
「PH-TC14PE CPU Cooler」 製品情報(PHANTEKS) |
なお「PH-TC14PE CPU Cooler」は5色がラインナップされており、今回はファインディング・ニモを彷彿とさせるオレンジカラー(型番:PH-TC14PE_OR)をチョイスした。ちなみ「PH-TC14PE CPU Cooler」の高さは171mm(冷却ファン搭載時)。「Enthoo Primo」のCPUクーラー有効スペース(高さ)は公称207mmとされ、数字上ではまだ30mmほどの余裕が残されている。
大型PCケースに巨大CPUクーラー「PH-TC14PE CPU Cooler」をマウント。ヘビー級同士だけに内部の迫力は想像を超える、まさに「規格外」 | |
全長275mmのグラフィックスカードをマウント。「PH-TC14PE CPU Cooler」の存在感もあって、グラフィックスカードが小さく見える |
内部容積が広いPCケースだが、ギミックが多い分意外な制限もある。そう感じさせるのが、拡張カードの有効スペースだ。拡張スロットの延長部分には、リザーバーが固定できる「RESERVOIR BRACKET」がある。全長約380mmもある大型ブラケットにはプラスチックカバーが取り付けられており、まずはコレを取り外す必要がある(装着状態での有効スペースは公称257mm)。「RESERVOIR BRACKET」自体に段差が設けらている分、グラフィックスカードの搭載スペースが広がり、この状態では公称277mmが確保できる。
「RESERVOIR BRACKET」にある、4個のネジで固定されたプラスチックカバーを外すことで、グラフィックスカード搭載スペースが拡張する |
しかしハイエンドGPU搭載のグラフィックスカードであれば、300mmを切るスペースは物足りない。そんなユースに応えるべく、「RESERVOIR BRACKET」自体を取り外すことで公称350mmに拡張する。これだけのスペースがあれば、多くのハイエンドモデルが搭載できるだろう。
公称275mmのグラフィックスカード装着後も十分な空きスペースを確保。なおその横にあるHDDケージ全体を取り払うと、最大515mmまでスペースができるという |