エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.279
2013.11.15 更新
文:GDM編集部 池西 樹
外観のチェックが終わったところで、ここからは「GV-R928XOC-3GD」を実際に動作させて、その挙動とパフォーマンスをチェックしていくことにしよう。なおベンチマークテストにあたっては、GIGABYTEが提供するチューニングユーティリティ「OC GURU II」を使い、リファレンスクロックを再現。出荷時のカスタマイズクロックとのスコア差を比較して、そのアドバンテージについても確認している。なおテスト環境の詳細は以下の通り。
チューニングツール「OC GURU II」を使いリファレンスクロックを再現した状態でもテストを行っている |
まずは「GV-R928XOC-3GD」最大の特徴である「WINDFORCE 3X」の冷却性能から確認していこう。標準設定では、60℃以上で80%、70℃以上では90%、80℃以上では100%と冷却重視のため騒音値はかなり高め。そこで「OC GURU II」を使い、80%、60%、40%の3段階に回転数を変更して、冷却性能と騒音値を確認してみることにした。測定にはGPUの温度が最も高くなる「Unigine Heaven DX11 Benchmark 4.0」を使い、騒音値の計測ポイントは、グラフィックスカードのバックパネルから30cm離れた位置で、バラック状態にて測定している。
標準設定(左)では冷却性能を重視してファンの回転数はかなり高め。「OC GURU II」を使えば、回転数はマウスドラッグで簡単に調整できる | |
ノイズレベル(dBA)/室内ノイズ31.1dBA | |
GPUコア温度(℃)/室温23.4℃ | |
ファンの回転数(rpm) |
騒音レベルは回転数が3,500rpmを超える100%はもちろん、3,200rpmまで上がる80%でも47.2dBAとかなり耳障り。あくまで筆者の主観になるが、ケースに入れても騒音を封じ込めるのは難しく、常用するのは辛い印象だ。一方、60%以下まで回転数を落としてやると一気に騒音レベルが低下し、扱いやすくなる。温度も60%で73℃、40%でも78℃までしか上がらず、常用するには良好な設定といえる。「WINDFORCE 3X」の冷却性能を生かすためにも、「OC GURU II」を使い最適な回転数を見つけてほしい。
GPUチップを厳密に合わせる必要があるNVIDIA SLIと違い、AMD CrossFire Xでは異なるGPU同士でもマルチグラフィックス環境を構築することができる。そこでベンチマークに先立ち、手持ちのRadeon HD 7950(リファレンスモデル)を使い、異種CrossFire Xについて試してみることにした。
Radeon R9 280XとRadeon HD 7950の異種CrossFire Xでも、ブリッジケーブルの接続が必要となる | |
1枚あたりのパフォーマンスは低い方に制限されるため、性能差が大きいグラフィックスカードではメリットが少なくなる点には留意したい |
結果はご覧の通り。同じTahitiコアを採用していることもあり、「GV-R928XOC-3GD」とRadeon HD 7950によるCrossFire Xは特に問題なく設定できる。動作クロックやシェーダー数はパフォーマンスの低い方に制限されるため、パフォーマンスの伸びは悪くなるが、手持ちのグラフィックスカードを有効活用できる面白い方法と言えるだろう。